2009年02月05日

テンプホールディングスの会社説明会報告レポート

12月20日に行われた、日興アイ・アール主催 テンプホールディングスの投資家向け会社説明会に行ってきました。テンプホールディングスは、事務職を中心に人材派遣を行っている会社で、2008年10月に同業のテンプスタッフとピープルスタッフの共同持株会社として設立された会社です。

2008年12月19日の株価 671円
(東証1部 2181) 100株単位 3月決算
PER 7.7倍、PBR 0.7倍、配当利回り 3.3%
株主資本比率 70%くらい、予想配当性向 25%

まだ決算期を迎えていないので、PBRと株主資本比率は推定です。

最近の株価は → ヤフーファイナンス テンプホールディングス
ホームページは → こちらです♪

2181.jpg

レポートをまとめるのが遅くなってしまいましたが、この間に株価は下落しています。
指標面から見ると割安度が高まりましたね。2月5日前場終値567円で計算すると、PERは6.5倍になります。
お土産は文房具セットでした。

このレポートをまとめるのにもかなり時間がかかっていますのであせあせ(飛び散る汗)興味がありましたらぜひこちらのページなどもご協力よろしくお願いしますプレゼント

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篠原社長から説明がある予定だったんですが、どうしても名古屋に来れない急用ができたそうで、急遽佐分常務から説明がありました。申し訳ない申し訳ないと何度もお詫びをしていました。確かに篠原社長の話を聞いてみたかったですね。
テンプスタッフは東海地区で200億円くらい、地元のピープルスタッフは300億円くらいなので、合計すると東海地区で500億円規模になる。10月1日から新会社がスタートしたが、両社の強みを活かし弱みを補って、日本およびアジアに事業を広げて行きたい。テンプホールディングスの社長にはテンプスタッフ社長の篠原、副社長にピープルスタッフ社長の日比野が就任した。
初値は711円だったが昨日の終値は671円で40円ほど下がっている。今の経済環境を考えると仕方がないのかなとも思う。現状の時価総額は440億円ほどです。
東証1部に上場していて、証券コードは新たに2181になった。
東証が100株への売買単位の集約を進めているので、指導に沿って100株にした。
10月に設立されたばかりで最初の決算を迎えていないことから、ヤフーファイナンスなどでは投資尺度が出ていない。当社の想定では現状の株価(671円)で、配当利回り3.2%、PER7.2倍、PBR0.7倍、株主資本比率70%くらいになると考えている。両社とも財務内容は良い。

当社の企業理念は、雇用の創造、人々の成長、社会貢献です。人はかならず働くが、その働く場所を作りチャンスを広げるのが当社の仕事です。そして働くことを通じて人は成長し社会に貢献する、それがひいては社会の成長に繋がる、と考えて事業展開を行っています。
当社は派遣制度の浸透ともに成長してきたが、大きく分けて4つの成長期に分けられる。
第1の創業期《基礎づくり》
社長の篠原は、スイスからイギリスに留学し日本に戻ったが、さらに英語を勉強したいと思いオーストラリアに渡った。シドニーで社長秘書をしていた時に、人が休むと代わりの人が現れて仕事をこなしているのを見て、派遣サービスというものを知った。その派遣会社の社長も女性で、いろいろ話を聞いてきた。その後38歳で日本に戻ったが、35年前の日本で38歳の女性ではいい仕事に就けそうもなかったので、1973年に六本木のマンションの1室で、一人で人材派遣業を始めた。それまで日本にはなかったビジネスなので、すぐに営業がうまく行くわけでもなく、資金繰りにも困ったと聞いています。夜には事務所で英語を教えてしのいだ。外国では10年以上前から始まっていたサービスだったので、当時日本へ進出を始めていた外資中心に営業を進めていった。
第2の創業期《成長期》
徐々に派遣先も増えていったが、まったく新しいサービスで法令なども整備されておらず、法令違反とお叱りを受けることもあった。クライアントから感謝されスタッフからもいい仕事を紹介してもらえたと感謝されたので、今まで続けてくることができた。創業以来女性スタッフのみで運営しており、年商100億円くらいまでは順調に拡大したが、なかなかそこを超えられなかった。篠原はもっと会社を大きくしたい、もっと多くの人にいい仕事を紹介したいと思っていたが、思うように進まなかった。そこへ男性のアルバイトが入ってきて、会社を大きくするための提案などが出てくるようになった。社内ではいろいろと軋轢も生んだが、新しい人が入り色々な提案が出てきて、100億を突破することができた。社長には拡大指向があったが、役所の理解も進まずどうするか悩みも多かった。しかし役所の見解も整理されてきて、8社のメンバーで協議し1986年に労働者派遣法も施行された。
第3の創業期《飛躍期》
労働者派遣法も改正され今ではほぼ自由化されたが、当社では専門分野に特化した様々な事業を分社化し、グループ会社が誕生した。派遣法改正が行き過ぎではないかという議論もあり、現状では規制がかかろうとしているが、当社では派遣という働き方は欧米のように日本の中でも根付いていくと考えている。
第4の創業期《グローバル期》
現在では中国、韓国、台湾などアジア地域でのサービス展開を拡充し、グローバル展開を進めている。ピープルスタッフと経営統合したので、日本での基盤を固めアジアに向けて今後は一致団結して成長していきたい。

 テンプホールディングスのこれから
派遣業界を取り巻く環境は、少子高齢化による労働力の減少、10月以降景況感が極めて悪化していること、4月以降健康保険制度の変更で法定コストが増加しているなど、とても厳しく当社も例外ではないが、なんらかの経営努力でクリアして今後も発展していきたい。
人材派遣のイメージが悪くなっているが、当社は95%が女性を中心とするオフィスワーカーの派遣で、工場系の派遣はほんの一部です。クライアント、スタッフから真の信頼を得た実力者だけが勝ち残ると考えている。その方策の一つが経営統合です。2社統合したことで、東海地区ではNo1になったと思う。
日経MJの調査による一般事務派遣の分野で、統合会社の規模はスタッフサービスに次ぐ2位になるひらめき
3位リクルートスタッフィング リクルート子会社
4位アデコ スイス本拠の世界1位 たぶん2兆円規模の会社
5位パソナグループ 当社のほぼ100%競合先と言ってもよい
6位マンパワー アメリカ本拠で世界3位
世界2位はオランダ拠点のランスタッドです。世界の上位企業の規模は桁違いです。

 中長期の経営戦略
中長期の経営戦略として、アジアを代表する人材サービス企業になるために、5つの戦略を立てている。
1地域戦略の強化
各地域における両社の経営資源を統合・集中し、地域のやり方に合った地域に根ざしたきめ細かいサービスを展開していく。ピープルスタッフと経営統合したのも、東海地区での地域戦略の一環です。
2専門分野への積極展開
IT、金融、バイオ・メディカルなど専門分野へも積極的に展開し、高い技能を持っている個々人のスキルを見極め、クライアントに合った人を紹介(マッチング)します。スキルをいかにあげてもらうかが重要で、育成型派遣事業を拡充して専門知識の習得に力を入れ、スキルを高めていい待遇を得てもらう。
3グローバル市場への積極展開
労働力が減っていく中で労働力が足りないと、国を超えて流動していく。今後アジア圏での人材の流動化が進んでいくと考えているが、アジアでは労働者派遣法が整備されておらず、派遣が根付いていない。グローバル市場への展開として、現在はアメリカも含め海外に11拠点あるが、アジア中心にまずは人材紹介ビジネスを展開していく。
4女性の就業支援
女性は仕事と家庭を行ったり来たりすることが多いが、いかに働きやすい環境を作るかが大事だと考えている。労働力不足解消の重要なキーワードとして活躍が期待されているのは女性であり、女性の就労を支援していく。
具体的には、ブランクがあり働くのが不安な人に各種講座などのスキルアップ支援を行ったり、カウンセリング、コミュニティ支援、保育事業の拡大、パートタイム型派遣の強化などを行っている。
5経営効率の向上
規模を拡大し会社を大きくしていくが、経営効率を改善することが一番重要と考えている。これまでもバックオフィス業務の集約、基幹システムの統合などを行ってきたが、これからも派遣スタッフ募集広告戦略の統一・集約化など経営効率の改善を進めていく。機会損失やロスを最小限におさえ、経営効率を向上させ、徹底したコスト管理とガバナンスにより、堅実な利益成長と健全な財務体質を堅持する。

 業 績
2Qまでは別々に運営していたので単純合計すると、売上は増加しているが厳しい環境のもとで若干減益となった。
通期の業績予想については、売上高2609億円、純利益57.5億円を見込んでいる。下期は来年4月を目指して東海地区で2社の統合作業を進めており、移行のためのコストが発生する。2つのオフィスを1ヵ所に統合し、人員・システムなども含め1つの会社として運営する。移行コストが発生するので今期はマイナスになるが、来期からはこの費用がなくなり、統合により広告費・オフィス費も減少する。従来からの両社の業績見込みの合計と比べると、統合コスト分下回ることになる。来期以降は統合効果を発現し移行コストも減少するので、厳しい環境の中でも売上・利益を伸ばして行こうと話し合っている。
本日はありがとうございました。

質疑応答については、日興アイ・アールのコンサルタントからまとめて行う形式でした。事前に質問を集めていたんですね。当日感じた質問ができないのはちょっと残念です。

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質疑応答
(1)派遣切りの影響はどの程度あるのか
→海外の大手会社はフルラインで派遣を行っているが、日本では職種別・業種別で会社が分かれている。先ほどから説明してきた通り当社は一般事務職の派遣が中心で、問題になっているのは工場の製造ラインの派遣が中心です。製造はラインが止まると全員契約解除になることも考えられるが、事務はあまり大きく変化するわけではない。景気が悪化すれば事務職にもいくらかの影響は出てくるが、J−SOX法対応など事務作業は大幅に増えていて企業も苦労している状況なので、わが社にはあまり大きな影響はない。
(2)人材派遣業界のこれからについてどう考えているか。これからも安定して成長できるのか
→なかなか幅広くて難しい質問ですが、10〜20年を見込んでグローバル展開を進めていく。アジアには確固たる基盤を築いていきたい。
一般的に利益などPLで評価されるが、BSを見て欲しい。総資産800億に対して純資産600億くらいで、海外の投資家からはキャッシュを持ちすぎだと言われるくらいです。売掛債権は320億ほどあるがこれは1.5ヵ月位で現金化できるので、1.5ヵ月というレンジで考えると600億くらいの金融資産を持っている会社です。これは篠原の信念ですが、なるべく大きな会社にしたい、無駄な固定資産は持たないということで、若干の固定資産は持っていますが本社ビルなども持っていないし、資金を固定化するということはやってきていない。なぜ多くの金融資産を持っているかというと、話が反れるが現状5万人の人が働いており、働く人に必ず給料を払うということを最も重視しているためです。280億は年間売上の1ヵ月分を目安にしているが、翌月のお給料を必ず払えることをいつもバランスシートの中で考えている。売掛債権についても信用調査を行っていて、信用のおける会社で働いてもらい、信用のおける所からお金を頂くというが不可欠と考えている。皆さんが働くということは生活の中でとても大事なことなので、我々がその働く場を確保するという意味で、どんな状況になっても安定した会社作りをしていきたい。
質問の趣旨とは少しずれてしまったが、篠原の信念というものをご理解頂きたい。

人材派遣業ということでひとまとめにされイメージが悪化していますが、製造派遣と比べると一般事務派遣は安定していて、テンプHDは財務内容もいいですね。1月28日には富士ゼロックス子会社の人材派遣会社の取得検討開始の発表もあり、規模拡大にも取り組んでいます。会社側の説明では一般事務派遣の影響は少ないということでしたが、単価面では厳しい交渉になるのではないでしょうか。派遣人員は維持できても単価が下がれば影響を受けますね。規模を拡大して経営効率を高めるという戦略は正しいと思いますが、7月以降の富士ゼロックス子会社も含めて統合作業が続くので、順調に統合が進み効果を発揮できるのか注目していきたいですねexclamation×2
3Qの決算発表は2月10日に予定されています。
それにしても篠原社長からお話を聞けなかったのが残念です。ぜひまた名古屋にも来てくださいねぴかぴか(新しい)

最後までお読みいただきありがとうございました。
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posted by Zaimax at 11:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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