2008年12月10日

エフテックの会社説明会報告レポート

12月10日に開催された、証券教育広報センター主催 エフテックの投資家向け会社説明会に行ってきました。エフテックはホンダ系の部品会社で、サスペンションなどの足回り部品に強みを持っています。

2008年12月10日の株価 434円
(東証1部 7212) 100株単位 3月決算
PER 2.7倍、PBR 0.30倍、配当利回り 4.6%
株主資本比率 18.6%、配当性向目標 10%以上

最近の株価は → ヤフーファイナンス エフテック
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お土産は、500円分のクオカードでした。
7212.jpg
株価指標を見ると割安だと感じますが、借入金が多くて財務体質が若干弱いですね。11月10日に業績の下方修正を行っていますが、ビッグ3の問題などもあり再度の下方修正があるのでは?という不安心理から割安なのでしょうか。財務体質の改善を優先するということで、配当性向も10%以上と低い目標になっています。株価はここ2年ほど下落傾向です。

ほぼ開始時刻に会場に着きましたが、ロビーではサブフレームやペダル類などの製品を展示して、説明員もいました。会場では会社説明のビデオも流されていたようです。大型の展示台を運んでくるなど、かなり会社説明会に力を入れているんですね。前にも会社説明会に来たことを思い出しました。
木村社長から説明があり、梅津取締役執行役員も同席していました。緊張しているのか体調がよくないのか分かりませんが、少し調子が出ない感じでした。中盤から滑らかな感じになりましたね。
子会社19社中海外が14社と海外展開が進んでいます。主な製品はエンジン周りや足回りなどのフレームと、アクセルやブレーキなどのペダル類などです。ペダルは単純な製品だけではなくて、安全性や使いやすさを高めた独自商品を開発しています。衝突時にブレーキペダルが引っ込んで怪我を予防したり、ペダルの位置を調整できるアジャスタブルペダルなどを品揃えしています。アジャスタブルペダルは、東京モーターショーに展示したら女性からの反響が大きかったそうで、今後の採用拡大を期待しているようです。

元々はベンツやトヨタのおもちゃの自動車を作って、海外などにも輸出していたそうですが、自動車用機能部品の開発を始め現在の姿になりました。1986年にはカナダに工場を作るなど海外展開にも積極的に取り組んできました。現在では北米、中米、フィリピン、中国、タイに工場を展開しています。販売先はホンダ向けがまだ9割弱と高いが、日産やGM向けにも納入している。フィリピンの工場は日本へ廉価な部品を供給するために作ったが、今では6千〜6.5千個/日のペダルを生産しており、世界中に供給している。中国の中山工場も収益率が13%と高収益である。
5年前は北米向けが6割弱だったが、アジアの割合が上がり北米の比率が5割になった。今期は北米が落ち込むがアジアはまだ伸びる。

海外展開のトピックスとしては、アジア地域の増産に備えるためタイに工場を作った。08年4月から操業を開始し、10月からフル生産に入った。今期の売上は14億円の見込みだが、来期は37億円を計画している。Jazz(フィット)やCity向けの足回り部品を生産している。
中国煙台の会社は金型の設計を行う会社で、12名の従業員のうち7名に日本で研修を行った。中国では廉価金型が作れると注目されているが、まだまだ技術協力が必要である。当社も金型設計のコストダウンを狙って進出したが、将来は金型及び金型関連部品の輸出入も手がけていきたい。

このあたりから説明に熱が入って来たように感じました。海外展開に力を入れているんですね!
08年7月にフィリピンに開発拠点を作った。日本、北米に続く3つ目の開発拠点になる。フィリピンには先ほど説明したように、ペダルの大きな工場があるので、工場と連携してペダル類のアセンブリに関連する研究を行っていく。
フィリピンと北米は地球の反対なので、両拠点が連携すれば24時間ノンストップで研究開発が行える。フィリピンについては特に力が入っているように感じました(笑)

国内展開のトピックスとしては、国内工場をマザー工場と位置づけた改革を行っている。亀山事業所周辺の4工場、6倉庫を1拠点に集約し、品質・生産性を飛躍的に改善するNK(ニュー亀山)計画の工場移転が12月に完了した。金型ラックは20t金型にも対応し、360型収納可能と日本唯一の自慢の設備のようです。金型の入出庫スピードアップ、メンテのしやすさなど生産性が大幅に向上する。部品自動ラックは1,180パレットを収納可能で、品質・生産性が向上する。新塗装ラインも導入し、処理能力の確保と性能アップ、原価低減が図れた。
今年はかなり設備投資を行っているようですね。生産効率が上がるのはいいことですが、生産能力が上がったところで金融危機が起き、需要が急減している今の状況は厳しいのではないかな?と感じました。財務内容がそれほど良くないので、より厳しいように感じます。

競争力の源泉でもある開発にも力を入れていて、170人体制で常に業界の一歩先を行く開発を推進している。通常は外注することが多い設備部門も、ノウハウを蓄積するため自社内に持っている。開発費は3年前までは10億円程度だったが、最近は増加し今期は23億円の見込み。芳賀テクニカルセンターに新建屋を増設し、最新の検査機器を備え開発データ集積力と品質検査体制も充実した。
ここで開発したアルミの溶接技術『FSW』は、大量の電気やガスを使用しない環境に優しいECOな技術です。当社の生産技術力で3次元部位まで接合できるようになり、今後大きな可能性がある。環境規制の影響で燃費規制はますます厳しくなり、軽量化を図るためにもアルミ部品の活用、そして当社のコア技術であるハイドロフォームの競争力が生きてくる。部品を軽量化するハイドロフォーム試作機で、低圧・高圧両方式を持っているのはエフテックだけである。当社は両方式を使い分け開発ができる。「ハイドロフォーミング」は、軽量化と優れた鉄のコスト競争力を活用できるので、現在のサブフレームから採用される領域が広がっていき、当社の販売拡大が見込める。

いろいろ技術の説明がありましたが、説明を聞いただけではどんな技術なのかよく分かりませんでした。説明会後に製品を展示しているところで教えてもらいました。
『FSW』は2種類のアルミ部材を繋ぐのに、溶接ではなくてドリルのようなものを高速回転させて、その部分だけアルミを溶かして混ぜ合わせて繋ぐようなイメージでした。
「ハイドロフォーミング」は、鉄パイプおおよその形に曲げてから金型に挟み込み、パイプの中に高圧の水を注入することで金型に押し付けて希望の形にする方法です。樹脂の中空成形のようなイメージでしょうか。
他にも部品を軽量化するための技術紹介がありました。軽量化に力を入れているんですね。

売上・利益について
06年3月期から売上・利益が急増していて、昨年は売上1600億円、経常利益74億円ほどになったが、今期は先日下方修正した通り3%減収、営業利益・経常利益が37%減益、純利益は52%減益となる見込み。
大幅減益となるので配当についても当初見込みから14円減配した。配当性向は12.4%となる見込みで、目標の10%以上となる。株主優待のクオカードは1000円→3000円にアップさせていただく。

当社は早くからグローバル展開をしていて、世界5極供給体制ができている。研究開発にも力を入れており、環境問題や軽量化に役立つ技術を生み出している。これらの技術を生かして、社会に貢献していきたい。将来展望として、『世界に通用する複合機能部品メーカーとして存在を期待される企業となる』を掲げて取り組んでいく。
今まではフレームなどの動かない部品が中心だったが、これからは動く複合部品に力を入れていく。

ここから質疑応答となりました。そしてまたいつもの方が登場です!
今回も質問が長かったです(笑)
(1)グローバル展開は立派だが収益性が低いのではないか?営業利益に比べ経常利益が低いのはなぜか?
→財務体質が弱く有利子負債が多いので、支払利息分経常利益が低くなる。
(2)亀山の投資など設備投資をたくさん行っているが、手元資金で賄えるのか?さらに借り入れが膨らむのではないか?
→確かにすべては手元資金で賄えないので、借り入れも増える。有利子負債の削減は中期計画でも重点的に取り組んでいる。ブラジルやインドにも拠点を作る計画も先送りして、まずは体質改善を優先する。
(梅津取締役からも回答)
営業利益と経常利益の差は、399億円の有利子負債の支払利息のためです。中期計画の最終年度、3年後には負債比率を今の42%から34%に低下させたい。金融危機で厳しい環境ではあるが、利益を積み上げ負債を返済していく。
(3)CBを発行しているが、株価が低迷しているので転換が進まない。このままでは全額償還しなければならないのでは?まだ先のことなので心配ばかりしてもいけないが大丈夫なのか?
→全体としては有利子負債の借換えも必要です。

質問は一人だけでした。来期以降の業績見込みなど聞いてみようかなとも思いましたが、外部環境が厳しすぎてあまり期待できそうにないのでやめました
自動車メーカーはどこも大幅減産という厳しい現状ですので、みなが心配している業績についてもう少し説明があればいいのになと感じました。技術面や海外展開の話が中心でした。先が見通しにくくて説明が難しいのかもしれませんが、中期計画も作っているようですからそのあたりの話をもっと聞きたかったですね。
指標だけを見ると割安ですが、いま発表している業績が達成できるのか自信が持てないですし、来期はさらに厳しくなる可能性もあるので、ちょっと今のタイミングでは投資しにくいですね。昨年・今年と続いた大きな設備投資が、財務面の重荷になるのではないかとも心配になります。
米国のビッグ3がどうなるのか不透明ですし、グローバル展開している自動車部品メーカーにはリスクが大きくて投資しにくいなと感じます。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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posted by Zaimax at 22:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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