2008年12月5日の株価 900円
(東証2部・大証2部 7979) 100株単位 3月決算
PER 15.3倍、PBR 0.75倍、配当利回り 2.0%
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PERと配当利回りから見ると割安感は感じませんね。
お土産は、歯間ブラシウインデントでした。
太田社長から説明がありましたが、専務や常務など総勢6名体制で出席していました。質疑応答を充実させるためなのかもしれませんが、6名というのはあまりにも多過ぎですね!半分でも十分だと思います。通常2〜3名のケースが多いと思います。コスト意識が若干甘いのかな?とか質疑応答に自信がないのかな?などと感じてしまいます。
松風は今年86年を迎える会社で、89年に歯科界で初めて上場した会社です。昨年には東証2部にも上場した。海外にも積極展開していて、歯科界では世界的に有名な会社のひとつです。世界中に歯科医師は100万人いて、市場規模は20兆円。海外にも生産・販売拠点を展開している。
主要取り扱い製品は人工歯、研削材料、金属類などで、歯科治療の過程で使われている。国内では特約店を通じて歯科医療機関に販売しており、海外では現地販売子会社経由が6割、アジア・オセアニアでは直接各国の代理店経由で販売している。
国内の歯科医の収入は3兆円で、自費診療を除くと2.5兆円(日本全体の医療費は33.4兆円)。世界全体の歯科医の収入は20兆円なので、日本は世界全体の15%を占める大きな市場です。3兆円のうち歯科材料などのメーカー出荷額は1500億円である。
松風のシェアは全体では7.4%であるが、松風の取り扱い製品だけで計算すると11.6%になる。人工歯や研削材料ではトップで、5割前後のシェアを持っている。(2006年暦年の値)
最近の業績動向・今後の見通し
2Qの実績は前年同期に比べ大幅増収増益となった。予想と比べても微増収大幅増益であり好調な業績となった。製品別の売上では、今年の2月にネイル流通大手のネイルラボを子会社化したので、ネイル事業が大幅増収になった。
営業利益では約1億円増益となっているが、変動要因を見ると売上高増加の影響が大きく、ネイルラボ子会社化に伴う販管費の増加を補っている。
通期予想は変更なく増収減益の見込みである。売上は歯科事業の国内、海外、ネイル事業とも好調に推移しており、大幅増収を見込んでいる。営業利益では増収の効果はあるものの、研究開発費や広告宣伝費の増加、統合基幹システムなど戦略的な経費の増加を見込んでおり、前期に比べ9千万円減益となる。
当社への為替の影響は、ドル・ユーロとも減収増益となる。増益になるがどちらも影響は軽微である。
新製品の売上高は15%を目指しているが、残念ながら最近は10%前後で推移している。新製品の中でも粗利益率の高い自社開発品を強化している。
粗利益率の推移を見ると、2005年3月期から上昇傾向にある。これは自社開発新商品の投入や全社的なコストダウンの効果です。今期は横ばいの見込みになっているが、これは利益率の低いネイル事業の影響で、歯科事業のみでは57%と過去最高を目指している。
中期計画では海外売上高30%を目指しており、今期は44.6億円と過去最高の見込み。比率では26%と前年を下回るが、これはネイルラボの売上が国内計上となるためです。
海外の営業利益は、売上が40億円を超えた07/3月期から額・率とも増益に転じています。今期は海外子会社での一時的な経費増加により減益となりますが、収益構造に変化はありません。
中長期戦略
当社を取り巻く事業環境を見てみると、総人口の減少はマイナス要因ですが、潜在患者数の増加、予防進展による残存歯増加により受診機会の増加が期待できる。全身疾患の予防側面からの需要拡大もプラス要因。歯科疾病の変化では、虫歯が減って歯周病が増えている。また、審美歯科の需要拡大など健康保険枠外市場も今後大きく増える。医療費抑制政策の観点からは、医療費抑制効果のある製品・サービスが成長していく。
歯科業界は供給過剰構造で過当競争が進展する懸念もあるが、同様な状況の米国では、定期健診の推進などで受診機会を増やして需給バランスを調整してきた。日本でも同様の流れになると考えている。グローバル化の進展で海外メーカーとの競争も激化しているが、競争の中でレベルアップが図れると考えている。
環境要因への対応としては、高齢者ニーズ/歯周疾患/審美・予防・口腔衛生への対応、海外市場に照準を合わせた製品開発が求められており、具体的には再生歯科医療への挑戦や先進的革新的な高機能製品の開発など国際競争力の強化が求められている。
当社の重点課題としては、国際競争力の強化が課題であり、海外売上高30%、コストダウン20%、新製品売上高15%、営業利益率10%への回復、長期的には15%を目指していく。
競争力の源泉である研究開発については毎年10億円以上を投資しており、今後も積極的な投資を継続していく。
国内事業では、高収益である既存分野のシェアアップを図るとともに、審美、予防、再生医療、歯周病関連などの新規分野にも取り組んでいく。インプラント事業も開始した。
海外事業では、欧米ではシェアアップの余地は大きいと考えており、新製品を改良して投入していきたい。BRICS市場も伸びており、当社の売上も07/3期→08/3期で32%増収となった。今後も積極的に市場拡大に取り組んでいく。特に中国には力を入れていて、生産・販売子会社を設立し販売品目の拡大に取り組んでいる。また、インド、ベトナム市場の開拓に向けた取り組みも開始しました。
ネイル事業
日本のエンドユーザーのネイル市場の規模は1千億円で、ネイリスト3万人、ネイルサロン8千軒となっている。米国の市場規模は1兆円で日本の10倍。ネイルは当社の歯科材料の開発・生産技術が活かせるので参入した。ネイル業界3位の商社ネイルラボを約11億円で子会社化したことにより、
開発(松風)→生産(子会社プロメック)→販売(ネイルラボ)というすみ分けができ、積極的な企業展開を図って行きたい。今期の売上高は17.6億円を目指していく。
配当政策・株主優待
上場以降の平均配当性向は34.6%となっていて、当社は普通配当を一度も下げたことがない。今後も目標配当性向は30%以上を確保し、高い利益を確保できる高収益体制を作って行きたい。
株主優待では薬用歯磨きを提供しているが、当社の製品は歯科医向けが大半でみなさんにお使いいただく商品が少ないので、今後は増やしていきたい。
当社は今後も新製品を投入して海外展開も拡大し、収益性を向上させて企業価値を上げていきたい。
質疑応答
(1)スティールパートナーズとの関係について(事前質問)
→当社の財務内容の良さや収益性の高さなどと株価を判断して購入いただいているのだと考えている。企業価値向上などの提案はあるが、それ以外の働きかけなどは今のところない。
(2)海外でのシェアアップの余地が大きいということだが、競合にはどんな会社があるのか?松風の強みはどんなところか?
→人工歯や研削材などでは知名度があるが、最近力を入れてきた化工品類などでは知名度が低くほとんど採用されていない。マーケティングなどを強化していけば、現状のシェアはほとんど0だが高いシェアを求めることは可能だと考えている。
海外のトップメーカーはデンツプライという会社で売上2200億円、次がダナハーで上位5社は500億円規模の会社です。海外メーカーは単品経営の会社が多いが、そのような会社を買収して大きな会社になっている。当社は人工歯などから少しづつ製品の幅を広げてきた。
(3)海外やネイル事業の利益率は国内の歯科事業に比べて低いが、これらの割合が上がっていくと利益率が低下するのではないか?利益率の向上策についてはどのように考えているのか。
→歯科事業の粗利益率は57%を目指すと説明したが、ネイル事業の粗利益率は4割くらいです。ネイルラボは流通の会社なので粗利益率は低いが、今後会社の体制を整備し体質を強化していくことで、流通の会社でも利益率アップは可能だと考えている。
不況の影響も少なそうで、四季報を見ると過去4年も安定した利益を上げていますが、利益水準は横ばいです。海外展開の拡大やネイル事業の強化で、今後の成長が期待できそうですが、戦略の説明中心で具体的な中期計画がなかったので、どの程度の成長が期待できるのかはっきりしません。財務内容は良さそうですが、具体的な成長率などが見えてこないと現状のPERでは評価が難しいな〜と感じました。5倍程度の会社がたくさんある中で15倍というのは割高に感じてしまいます。スティールパートナーズは現状の株価をどう判断しているのでしょうか。気になりますね。
まずはネイル事業の利益率を向上させることができるのかに注目してみたいですね

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