2008年12月07日

バンクテック・ジャパンの会社説明会報告レポート

12月6日に開催された、東京IPO主催 バンクテック・ジャパンの投資家向け会社説明会に行ってきました。バンクテックジャパンは、企業の帳票類を電子データ化してペーパーレスを実現する、イメージ情報の処理に関するソリューションを提供する会社です。
ちょっと硬い説明で分かりにくいかな
会社では大量の紙ベースの資料を配布したり、保存したりしていますが、これらをスキャナーで電子化し、一括して保管・管理することで、無駄な紙を削減したり情報漏えいを防止したりする効果があります。業務内容について詳しい説明がありました。

2008年12月5日の株価 41,800円
(JASDAQ 3818) 1株単位 12月決算
PER 6.4倍、PBR 1.52倍、配当利回り 3.35%

最近の株価は → ヤフーファイナンス バンクテック・ジャパン
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PERは若干割安ですが、PBRの平均が1倍割れしている現状では指標面から見るとそれほど割安という感じはしませんね。
3社合同の会社説明会なので、個別のお土産はありませんでした。

三井所社長から説明があり、三浦執行役員も同席していました。
元々外資系の日本法人でしたが、2002年7月にMBOにより独立し、2006年10月にJASDAQ上場(公募価格は10万円)。直後にライブドアショックがあり、その後の株価は下落傾向ですが、企業の内容としては着々と良くなって来ている。
今年の5月末頃から倍以上に急騰しましたが、今は急騰前の水準に戻っています。何か大きな材料でも出たのでしょうか?
米国バンクテック社とはMBO時に10年間の特別な契約(製品の最優遇価格、ノウハウの利用など)を結んでおり、5年間ほど延長する。

バンクテックジャパンのキーワードはペーパーレスで、イメージ情報を利用したソリューションを提供する会社と言っていますが、よく分からん!との指摘も多いので詳しく説明させていただく。顧客は大量の書類を使っている銀行などの大手企業が中心で、優良な顧客企業と直接取引きしている。

大会社では日常業務で大量の帳票を使用している。それらをコピーして配布したりキャビネットに保管したりしている。紙も大量に使用しているし、保管スペースも大量に必要になる。紙を配布するには人手もかかる。当社の仕組みを導入すると、帳票類はスキャナーで読み込み電子データ化される。そうすると紙の書類と同じようにパソコン画面上で見ることができる。書類の回覧者は自由に設定することができ、書類の一部分だけを見せたり、権限によって見られる部分を変えるなど柔軟に対応できる。
口座開設書類などの場合、印鑑が押してあるかなどのチェックも自動で行うことができる。今までは1枚1枚目でチェックしていたものを自動化でき、省力化の効果が大きい。書類だと紛失したり社外に流出したりする恐れもあるが、電子化していると紛失の心配もないし、データは特殊な暗号化をしているので、流出の危険も低くなる。保管スペースも光ディスクなどに保管するので、省スペース化が図れるなどメリットがひじょうに大きい。
営業所レベルで小規模に電子化する商品は、キャノンやリコー、ゼロックスなどが販売しているが、集中事務センターなど電子データ化を大量に行う部門で使用する装置は、世界最速クラスの商品を自社開発し国内生産している。この装置は1500〜2000万円と高いので、それほど書類が多くない会社などには、当社に電子データ化を委託するアウトソーシングビジネスも強化している。

書類の電子化が始まったのは97年くらいからで、その後2001年までは売上が順調に伸びていたが、MBOをした2002年からは金融機関が倒産するなど金融機関の経営が悪化し、投資が一気に止まり4年間売上が低迷した。この頃は銀行関連の仕事が半分程度を占めていたので影響が大きかったが、この低迷期に公官庁や物流企業など新たな顧客層の開拓に取り組んだ。その結果2006年からは成長軌道に戻り、現在では業界別の売上構成もバランスが良くなった。昨年は保険会社向けが伸びた。
損益面でも2006年から順調に伸びてきて、今期は10%近い経常利益率の目処が付きつつある(昨年までは5%前後)

今後の戦略
現状で電子化されているのはまだ10%程度に過ぎない。残り90%は電子化されていないので、市場拡大の余地は大きい。環境面を見ても通信インフラが整備されてきており、ネットワークの高速化・低価格化、パソコンやサーバーなどの低価格化が進んでおり、イメージ情報処理環境を導入しやすくなった。また日本版SOX法制定や個人情報保護の強化など、従来以上に文書管理の徹底、効率的な運用が必要になってきている。銀行などで使われていたマイクロフィルムも製造が中止になり、今後デジタル化の流れが加速していく。
こういった環境から、省力化も図れる帳票の電子化の需要分野が拡大していくと期待している。

当社の事業は、機器類を直接顧客に販売する『システム・インテグレーション事業』、その機器の保守を請け負う『メンテナンス事業』、機器を売るのではなく電子データ化業務自体を請け負う『アウトソーシング事業』で構成されている。
アウトソーシング事業は、機器を自社導入した方が安いのか、運用も含めて業務を丸ごと委託した方が安いのかを選択できるように4年前に始めた。この分野がひじょうに拡大し、今期は28億円程度の売上見込みである。景気が悪くなると、金融機関などは本業に集中するため事務処理部門をアウトソーシングして効率化する傾向が強くなる。アウトソーシング事業が大きく伸びているのはこの影響と考えている。
システム・インテグレーション事業は売上の変動が大きいが、アウトソーシング事業は5年くらいの契約なので、毎月安定した売上が上がってくる安定的な事業である。メンテナンスもやはり5〜6年の契約が多いので、この2つの事業は好不況の影響が少ない安定した事業になる。今期にはこれらの売上が48%弱まで増加してきた。業績の安定度を高めるためにも、これらストック型ビジネスの拡大に向け、引き続き力を入れていく。

海外展開については、環境が悪くなっているのでここ1〜2年はあまり期待していない。ただ将来への布石は打っていて、韓国の大手銀行等へ機器の納入実績がある。日本では3年前に法制化され需要が拡大してきたが、韓国でも2007年7月に電子文書法が交付されたので、今後の需要拡大を狙って2008年7月に子会社を設立した。法制化はされていないが中国への布石も始めていて、北京に事務所を作った。

中期計画については2010年まで作成しているが、今期の売上を上方修正するなど好調に推移しており、来年以降の計画は刷新中。3年くらいの中長期で考えるとそれなりの成長率で進められるだろうと考えている。
利益面についても今期は上方修正しており、経常利益では昨年の倍、純利益でも倍弱の見込みである。来年以降も上昇する形で見直し中である。

足元の状況
3Qまでの業績は、前年に対して大幅増収増益と好調に推移している。先の売上を予測するには受注高の推移が参考になる。当社では受注から6〜8ヵ月後に売上になる。四半期ごとの受注高を見ると前年同期を上回って推移しており、比較的堅調に進んでいると考えている。
通期の予想ですが、景気も悪化しているのに大丈夫なの?というご質問も多いですが、公表している業績予想に変更はない。昨年時点で本社が手狭になり移転の検討を始めたが、今期4Qに移転を予定している。昨年決めたのでまだ家賃相場が高く、品川から川崎に引越すことになった。広さは50%増えるが家賃は同程度である。本社移転に伴う引越し費用や家賃の重複などにより、3億円程度の一時的な費用が発生するので、4Qの利益は前年より減少する。これは業績予想に織り込み済みなので問題ない。
(営業利益は前年の倍の見込みですが、損益計算書を見ると米バンクテックとの契約に伴う費用を前倒し償却しているので、この影響を除くと50%増くらいになります。それでも高い伸びですけどね!)
配当については前年の倍近い1400円を予定している。

イメージソリューションというのは分かりずらい部分もあるかもしれませんが、当社の事業はまだまだ伸びそうであるということと、ペーパーレス化を図っていくという所がポイントである。これからも期待に応えていきたい。

質疑応答
(1)NTTデータなどと競合するのか?どうすみ分けているのか。
→現在の市場規模は私は5千億くらいだと思っているが、これが1.3〜1.5兆円へ伸びる可能性があると思う。NTTデータは画像データにしたものをどのように活用するか、全体的なシステムを作るかなどの部分で強いので、NRIなども同様だが当社とはすみ分けができている。銀行関係では東芝ソリューションと競合したりするし、一部の公官庁などでは日立と競合することもある。しかし証券など別の分野では組んだりすることもあり柔軟に対応している。
紙を画像化する部分はスマートな仕事ではなくアナログの部分なので、うまみがないと感じるのかNTTデータなどはあまり力を入れていない。サーバーなどのデジタル処理の部分に力を入れている。
(2)米国バンクテックとの契約が切れると、技術面などで事業展開できなくなるなどの問題はあるのか?また海外へのエリア展開は契約上アジアなどに限定されているのか
→バンクテックからの仕入れは、ハード・ソフト含めて全体の1割程度でありそれほど大きな影響はない。どんな商品を仕入れているかというと、小切手や手形、商品券の処理用の高速リーダ・ソータで、日本ではマーケットが小さくあまり需要がない。圧倒的に強いのが画像化を行う高速スキャナー・ソータで、4年間で300台強売れた。(1台1500〜2000万円)こういった商品はあまり他所になくて、日本でデザインし日本で生産している。
高速スキャナー・ソータは海外にも展開したいと考えていて、韓国でも40台ほど売れた。中国では数台、中国はこれから。他の国はどうなんでしょうということですが、この機械には保守が常に付いていくので、まずは近くの韓国、中国から狙っていく。そこでうまくいくようなら次はBRICSを狙っていきたい。日本よりはるかに電子化が遅れていて、紙があふれている。人口が多いと紙の使用量が多くなることもあり、この2つの理由からBRICSを狙っていきたい。

まったく知らない会社でしたが、ペーパーレス化というのは環境面や合理化、情報保護面など多くの面でメリットが大きいので、アウトソーシングを中心にまだまだ広がっていきそうだと感じました。リコーやゼロックスなども同じような事業を行っていそうな感じもしますが、市場が拡大していけば売上・利益とも伸ばせるのかなと思います。アジアなど海外では市場自体がこれから立ち上がるという状態なので、中長期的にもおもしろそうです。
MBOを行っている関係上長期負債が若干多いこと、IBML社との良好な関係が続くのか、大株主のファンドの売却方針はどうなっているのか?などが不安要素ですが、利益が増加し借入金も減少傾向にあるので、大きな投資がなければ数年後には財務内容もかなり良くなりそうです。アウトソーシング事業が大きくなると、設備投資が大きくなりそうなのでもう少し調べてみようと感じました。配当も着実に増配しているのがうれしいですね。
現在見直し中の中期計画でどのような目標を発表してくるのか注目です。高い成長性が続くのであれば、割安感が高まりますね!
posted by Zaimax at 20:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | セミナー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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