中部鋼鈑は地元名古屋の会社で、厚板専業の電炉メーカーです。
2008年12月3日の株価 641円
(名証1部 5461) 100株単位 3月決算
PER 2.9倍、PBR 0.44倍、配当利回り 4.7%
最近の株価は → ヤフーファイナンス 中部鋼鈑
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鉄鋼関連の会社は全般的にPERは低いのでしょうが、それでも株価指標を見ると割安ですね。
お土産は500円分の図書カードでした。
まず最初に会社紹介のビデオが13分ほど流されました。あまり鉄鋼関連の会社には興味がなかったんですが、電炉というのがどんな仕組みなのかよく分かりました。ビデオを見ていると工場見学に行ったみたいで興味深かったですね。
説明は成田社長からありました。社長以下3人の方が来ていましたが、質問への応対を考えても2人位で十分じゃないかな〜とも感じました。
会社紹介の部分では、最大時には628人の従業員がいましたが、設備の合理化などにより現在では392人まで省力化が進んだそうです。中部鋼鈑は日本唯一の厚板専業メーカーで、名古屋市中川区の市街地にある鉄鋼メーカーで、周りはマンションやヤマダ電機、あおなみ線に囲まれています。敷地面積は約7万坪だそうですが、周りを囲まれているので、拡張の余地はなさそうですね

当社の特徴は、電炉メーカーなので多品種、小ロット、短納期に対応でき、鉄スクラップを利用するため環境にやさしいリサイクル企業です。さらに日本最大級の200トン電気炉を保有していて、世界的にユニークな製鋼−圧延直結プロセスを採用しています。
電気を使う製鋼工程は、電気代節約のため夜間操業を行っているそうです。
新日鉄などの高炉と比較すると、CO2の排出量が1/6〜1/5位ですみます。この面でも環境にやさしいですね!
子会社は、商社部門や輸送を担当する会社など4社あり、本体に比べて規模は小さいが堅実経営を行っています。
国内の厚板環境
上期の国内生産量は前年比33%増の678万トンで、高炉4社で9割を占めている。中部鋼鈑が4.7%で5位。レーザーで加工しやすい厚板など特徴のある製品を投入している。輸入厚板は2004年の42.3万トンをピークに年々減少してきたが、今年は国内の需要がタイトで急増している。輸入先は中国と韓国で9割を占めている。
厚板は造船や産業機械、エネルギー分野などの好調を受け、世界的に需要がタイトで、ここ10年ほど生産が増加傾向にある。他の鉄鋼品種と比べると伸び率が際立って高い。
厚中板の需要先は、船舶が45%で、建築・土木20%、産業機械16%、店売り15%となっている。当社は71%が店売りで、用途別に見ると産業機械59%、建築・土木28%となっている。
使用実績としては、千代田区の合同庁舎に使われるなど、品質が認められて著名物件にも採用されている。産業機械部門でも、国内ほとんどのメーカーに採用されている。
業績推移・今期の見通し
上期の実績は、売上は41%増と大幅に増えているが、経常利益は0.7%増と前年並みで、当期利益は35%減となった。上期は7月をピークにスクラップ価格が急騰し65.8%の上昇となり、販売価格もそれに対応して値上げしたので、売上は大幅増、利益は横ばいとなった。特別損失として、株安に伴う有価証券評価損や夏の集中豪雨による水害損失が発生し、当期利益は減益となった。
今期の売上は過去最高の見込みで、経常利益も過去最高だった2005年並みになる見込み。市況産業ということで利益の増減は大きい。
スクラップ価格が2006年1月頃から上昇傾向にあるので、販売価格を昨年4月、10月に5千円づつ値上げし、今年は7月までスクラップ価格が急騰したので、4、5、6、9月に1万円づつ値上げした。
スクラップ価格は7月に7万円まで上昇したが、その後急落し11月8日には8千円まで下がった。今は若干戻して1.4万円程度である。
今期の見通しは、販売価格が高止まりし足元スクラップ価格が下がっているので、スプレッドが増加し増収増益を見込んでいる。通期では、スクラップ価格は25.8%増に対し、販売単価は37.8%上昇を見込んでおり、下期は大幅に利益が出る見込みである。
設備投資については、03年に連続鋳造機更新で66億円ほどの投資をし、負債が100億円になり株主資本比率も53%になった。その後も圧延工場の増築など設備投資をしてきたが、負債の前倒し返済も進め、今期末には6.5億円まで減る見込みで、株主資本比率も75%程度になる見込み。借入先は政策投資銀行のみ。
来期には圧延工場の基盤整備に90億円を投資するなど100億円規模の設備投資を予定している。
厚板製品の今後の需給環境は、造船向けは比較的堅調に推移する。約4年分の造船受注残がある
。新聞などでは150隻の造船がキャンセルされるなどの報道があるが、日本船に対するキャンセルは0で、中国や韓国船がキャンセルされている。
産業機械向けや建築向けは、世界経済の減速により需要減となるが、致死計画分は比較的好調である。11月までは前年並みだったが、12月は10%くらい受注が減ってきており、1〜3月はもう少し減りそうな感じである。
輸入厚板は低グレード品の一部に価格引下げが見られるが、急速な数量拡大にはならない見込み。
鉄スクラップ価格については、世界的な購入意欲の低下や、建材需要減に伴う国内電炉メーカーの減産を受け大幅に下落しており、当面大幅な上昇はないと思われる。ウォン安の影響で韓国への輸出も止まっている。
国内高炉メーカーでは、CO2排出量の削減や増産を目的にスクラップ配合率を高めてきたが、高炉も減産体制に入りスクラップ使用量が減ってくる。輸出、電炉、高炉とも需要が減ってきているので、スクラップ価格も低迷が続く。
このような環境の中、当社としては電炉の小回りを活かして、既存ユーザーへのきめ細やかな対応を行っていく。来年の設備投資で、今まで以上の長さ、厚みのある商品に対応できるようになるので、更なる品質向上への努力、短納期対応力の強化を図っていく。
来期の設備投資は発注はほぼ完了し、7〜8月にかけて本工事を行う予定。省エネ、省力化、歩留まり向上、修繕費低減、増産効果等で10億円/年のメリットを見込んでいる。仮に市況が悪化し減産になった場合でも、生産効率が改善することからラインを一直にすることで生産減にも柔軟に対応できるようになる。
最近のトピックスとしては、四川省の大地震や岩手・宮城内陸大地震、東海地区集中豪雨被災者へ100万円づつの義捐金を贈るなどCSRにも力を入れている。6月20日に開いた株主総会では、併せて工場見学会、会社説明会、株主懇親会を開催し、会社への理解を深めてもらっている。当社は市街地に立地しているので、周辺住民の方への工場見学会も開催している。
配当については、安定配当をベースに業績に見合った弾力的な配当を行う方針で、最近は着実に増配してきている。今期は前年並みの28円と発表しているが、下期の業績が拡大方向なので、3Q、4Qの業績を見ながら、増配を検討していきたい。
中部地方の株主が37%を占めており、これからもよろしくお願いします。
ここまで約55分で説明が終了しました。残り5分ほど質問タイムです。
が、またいつものあの方が質問だけで4分ほども使用し、時間切れになってしまいました

(1)通期の利益進捗率が低いのはなぜか?本当に達成できるのか
→半年くらいスクラップ価格と販売価格の間にタイムラグがあり、下期はスクラップ価格は安くなり販売価格は高止まりが続くので、スプレッドが開き利益が出る。
(2)スクラップ価格は低迷しているが、今後どうなるのか?来年の業績はどうか?
→ウォン安で韓国の買いはない。中国が少し買い出しているが、今のところスクラップ価格が大きく上がる要素はない。
厚板は高炉が生産の9割を占めており、高炉の価格がベースになる。今年は鉄鉱石の価格が大幅に上がったため販売価格も高くなったが、来年は上がりすぎた分の訂正があり価格は下がると思う。原料のスクラップ価格は、電路メーカーの生産量次第。
(3)なぜ東証に行かないのか?何か基準を満たしていないのか
→この質問は株主総会も含めていつも聞かれる。東証上場は当社の最大の課題として取り組んでいる。東証は審査が厳しく、基本的に増益基調にあることが求められる。当社は市況産業に属しているので、業績の変動が大きくこの基準のクリアが難しい。市況産業であることを理解してもらおうと説明するが、なかなか認めてもらえない。
今までは鉄鋼のような重厚長大産業株にはあまり興味がなく、小型株やサービス産業など身近な会社中心に投資してきましたが、このような会社も割安で面白そうだなと感じました。ただ市況産業で業績の変動が大きいので、投資するタイミングには注意が必要ですね。
今期の業績は過去最高水準を見込んでいますが、業績の増減を繰り返してきた市況産業ですので、来期以降は不透明です。来期は販売価格の低下よりスクラップ価格の低下効果の方が大きいかもしれませんが、販売数量が減少すると業績への影響も大きくなると思います。産業機械も落ち込んでいますし、来期は減収減益の可能性も高いような気がします。
ビデオを見て電炉の工場見学会にも興味がわいてきました。
株主総会後に工場見学会、会社説明会、株主懇親会を開催しているというのも株主を大切にしている感じが伝わってきていいですね

株主になって来年の工場見学会に参加しようかな(笑)
でも来期以降業績が低下して、株価が下がれば意味ないですし

株式相場の先行きも不透明だし、今はあまり無理をする時期ではないですね。
と感じていましたが、ヤフーの掲示板を見て中部鋼鈑も割安で面白そうかな


2007年の株主総会の様子がネット上に掲載されています

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株主総会の報告も読ませていただきました。工場見学会が短いのは残念ですが、充実した株主総会のようですね。私も株主になって株主総会に参加してみたいなと感じました。
これからもよろしくお願いします。