クリエイト・レストランツは、マルチブランド・マルチロケーション戦略でショッピングモール中心にビュッフェレストランを全国展開している会社です。
クリエイト・レストランツの株主総会に出席するのは2009年以来4年振りになります。
2013年5月29日(水)の株価 2,770円(JASDAQ 3387) 100株単位 2月決算
PER 12.5倍、PBR 6.7倍、配当利回り 2.17%、株主資本比率 19.7%
監査費用 3,300万円(売上比0.09%、営業利益比1.23%) 監査法人トーマツ
役員報酬 取締役 5名1.53億円(平均3,060万) 監査役 3名0.14億円
株主優待 2月・8月末の株数に応じてお食事券贈呈 2013年2月より開始
詳しくは

クリエイト・レストランツ(3387)のホームページ
クリエイト・レストランツ(3387)のヤフー株価情報

上場来の株価推移は上記株価チャートの通りであり、2011年頃までは典型的なダメダメIPO銘柄という感じでした。上場後2年間は減益が続き、株価の下落が止まらないところにリーマンショックが追い打ちをかけ、徹底的に売り込まれた水準で横這いが続きました。2010年頃から徐々に業績は改善傾向に転じており、2012年8月に筆頭株主の三菱商事保有株をすべて買い取ってから、増配・株主優待導入など個人投資家向けの株主還元にも積極的になり、株価も大きく上昇してきました。この180度の方針転換が今後も続くのか?がポイントになりそうです。
スケジュール
10:00〜10:37 事業報告
10:06〜10:18 営業報告 ビデオ使用 女性ナレーションが事業報告を読上げ
10:19〜10:37 岡本晴彦社長から自社株買い、配当、株主優待、M&Aなどについて説明
10:37〜10:39 議案の上程
第1号議案 剰余金処分の件 48円(配当性向44.7%) 前年より23円増配
第2号議案 定款一部変更の件 酒類の販売を追加
第3号議案 監査役1名選任の件 中澤裕子氏任期満了に伴い、大木丈史弁護士を新任
10:40〜11:37 質疑応答 質問者6人 計18件 57分
11:37〜11:38 議案採決
11:38〜11:38 新任監査役紹介 名前とよろしくのみ
お土産 今年もなし(笑)
飲み物サービス たぶんなし
経営戦略説明会 事業報告の中で若干詳しく説明
注目の株主総会格付けですが、質疑応答は丁寧に回答していたと思います。一方で準集中日の株主総会開催でお土産もなく、出席しても楽しみはあまり感じられません。これらを総合的に判断し、クリエイト・レストランツの2013年株主総会格付けは今回も 『D−』 としました。

クリエイト・レストランツの株主総会は五反田の自社ビルで行われました。今日は他の会社の株主総会も重なっており、どこに出席するか迷いましたが、株主優待を新設するなど会社側の姿勢が大きく変わってきたクリエイト・レストランツの現状を4年ぶりに見てみたくて、お土産が無いだろうとは思いましたが(笑)参加してみました。あれだけ強硬に拒否していた株主優待も導入したので、もしかしたらお土産もあるかも!?というかすかな期待があったのは事実です(笑)
もうクリエイト・レストランツの株主総会になんか参加しないぞ!(笑)と感じた2009年の株主総会の様子は下記のレポートをご覧ください。
クリエイト・レストランツ2009年株主総会レポート
2009年の株主総会に参加して感じたのは、クリエイト・レストランツは親会社の三菱商事のことしか考えていない会社で、三菱商事の出口戦略として高く売却するために上場したんだな〜個人株主のことなんて何も考えてないんだな〜という感じでした。なのでその後3年間は株主総会にも参加していません。
今回3年ぶりに参加しましたが、質問者の顔ぶれは以前と変わってないような印象でしたし、この3年間も4年前と同じような議論が繰り返されてきたようです。
この4年間で変わったのは、立派な自社ビルを建てたことです。

五反田駅から徒歩5分ほどの場所に地下1階、地上3階建の自社ビルを2年前に建てたそうです。財務内容は大幅に悪化し、株価も低迷しているのに立派な自社ビルを建てているんですから、この間の株主総会でも厳しいやり取りがあったことは想像できますね。こんな立派な自社ビルを建てられるのに、株主には優待もお土産も出せないのかっ!と言われていたのではないかと思われる(笑)
私から見ても、利益を生まない本社にお金をかけ過ぎじゃないですか?という印象です。
立派な本社ビルを建てると業績がピークとなる、というのは株式投資の定説の一つです^_^;
今日は吉野家の株主総会に寄ってから五反田まで移動したので、5分ほど遅刻となってしまいました。
なので飲み物サービスがあったのかは不明です。株主総会のお土産は今年もありませんでした!
会場内には椅子が(8+9)×11のレイアウトで並べられ、181人分くらいの席が用意されていました。遅れて入場する人も多数いたので、130人近く来ていたのではないでしょうか?出席者の多くは株主優待導入で株主となり、レストラン会社なのでお土産や懇親会があるかも!と思って参加したと思われますが、甘いですね(笑)クリレスは株主間の公平性を最も大事にする会社なので、お土産などとんでもないですし、懇親会なんて考えられません。たぶん来年の株主総会はまた参加者が激減するものと思われる^_^;
私も行かないかも。来年は準集中日開催に変更してきたあの会社に初参加してみようかな?(笑)
正面左右にモニターが設置され、事業報告などで活用されていました。会場中央にマイクが1本あり、質問者はそこまで行って質問するスタイルでした。
ビデオによる事業報告に続いて、岡本晴彦社長から自社株買い、今期の重点課題と業績見通し、4月に実施したM&A、配当政策、株主優待、対処すべき課題について説明がありました。こうした最近のトピックについて説明するのは良いことだと思います。
配当については配当性向30%程度を目標としており、今期から中間配当も実施する予定。クリエイト・レストランツの店舗を知ってもらったり、投資魅力の向上で新たな株主を獲得するため、2013年2月期末から株主優待制度を導入した。使用できる店舗は、4月に子会社化したイートウォークグループ、SFPダイニングを含む自社グループ店舗です。

クリエイト・レストランツから株主優待券が届くとは世も末だな〜(笑)ではなく、感慨深いものがありますね!株主優待ブームもピークを迎えつつあるのかもしれません。あと一六堂が株主優待を発表したら、株主優待ピーク説も現実味を帯びてきそうです(笑)あまりいじめて優待廃止されても困るのでこのくらいにしておこう^_^;
それにしても優待券の期限が10月末までというのは中途半端です!次回の優待券送付は11月中旬と説明があったので、11月上旬は優待券の空白期間になってしまいます。使用期限は最短でも6ヵ月以上、できれば1年くらいにして欲しいですね!
続いて議案の上程となりましたが、いきなり議案の採決になってしまいました^_^;
でも事務局も気付かずにスルー。普通なら事務局が慌てて議長席に駆け寄るところなんですが(笑)
そして質疑応答となりました。2009年の株主総会ではかなり厳しい意見が多かった訳ですが、株主優待も導入し、今期から中間配当も実施し、株価もかなり上がってきているということで、4年前に求められていたことはかなり実現できています。そんな中でどんな質問が出るのか興味津々でしたが、予想通り面白かったですね。
2009年と比べると個人株主を大事にしようという感じはしましたが、これはある目的のための一時的な変化なのか、本当に会社が変わったのかは、現時点では結論を出すには早すぎると感じました。
ぜひ2009年の質疑応答の様子と比較しながらお読みください。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)ずっと株主総会で株主優待の導入をお願いしてきたのに、昨年までは拒否され続けてきた。なぜ急に株主優待を導入したのか?社長の心境の変化をお聞きしたい。たぶん三菱商事が関係していると思うが私の邪推なのか?
→クリエイト・レストランツはショッピングモールでの商売が多いが、商業施設自体に集客力があるので、株主優待のプロモーション効果は小さいと考えていた。考えが足りなかったと思う。三菱商事の持ち株をすべて自社株買いし、晴れて独立系の会社になった。今後東証1部上場を目指していく中で、流通株式比率を高めていく必要があり、お客様でもある個人株主を増やす必要があり、株主優待を導入した。
(注記)三菱商事の後ろ盾を失い、信用力を高めるためにも東証1部上場を目指しているようです。そのためには個人株主も大事になるので、株主優待制度を導入したようです。となるとゲンキーやトランコムのようなことにならないか注意が必要です。東証1部に上場を果たした途端、もう個人株主は必要ない!とばかりに、優待を廃止し個人株主はバッサリと切り捨てられる可能性があります。本当に今後も株主優待を継続していく意思があるのか、もう少し突っ込んでほしかったですね!
(2-1)東証1部に上場するという噂が流れているが、可能な範囲で考えをお聞きしたい。まさか東証2部ということはないですよね?
→時期は言えないが、東証1部上場を目指して努力を続けている。
(3-1)定款変更で酒類の販売を追加するが、どんな事業を考えているのか?
→クリエイト・レストランツは持株会社の下に事業会社がぶら下がっているが、ワインなどの酒類を一括購入してグループ子会社に販売していくことを考えている。コスト面でもメリットが出ると思う。グループ外への販売は考えていない。
(4-2)借入金をしてまで三菱商事から自社株買いをしたことで自己資本比率が20%を切るまで低下している。4月に2社のM&Aを実施し、借入金も増えているのでさらに財務内容は悪くなっていると思うが、決算説明資料を見てもバランスシートについての説明はまったくない。今後も出店やM&Aを行っていくと思うが、どのように財務内容を改善していくのか中長期的な財務戦略を教えてほしい。
→(川井潤専務取締役 管理本部担当)自社株買いについては、自己資金と借入金で賄っており、負債も100億円を超えている。自己株の多くを消却したので自己資本も減少している。4月にM&Aした2社は成長著しい会社であり、今後利益が積み上がってくる。自社店舗も含めると今後フリーキャッシュフローが40億円くらいに増えてくるので、順調に返済もできるし自己資本も積み増していける。
(5-2)SFPダイニングは投資ファンドから取得したが、利益水準や純資産から見ると割高な価格だと感じる。手薄だった路面店への進出は評価するが、50億円近いのれんも発生すると思われ、割高に買ってしまうと今後減損などのリスクも高くなる。本当に適正な価格なのか?
→(川井専務)SFPダイニングは、路面店で繁華街に出店している鶏料理専門店鳥良と、最近成長が著しい鮮魚居酒屋の磯丸水産をそれぞれ40店舗ほど運営している。特に磯丸水産は出店の引き合いが多く、成長している。買収価格については、SFPダイニングのこの高い成長を見込んで将来の計画を立ててDCF法で評価した結果であり、第三者の会計士のセンセイからもこの価格は適正と意見を頂いている。SFPダイニングの店舗は路面店であり、ショッピングセンターの様な定期賃貸借ではなく、普通賃貸借で借りているので息の長いビジネスが可能であり、のれんは15年で償却予定です。
(注記)SFPダイニングというのは、サムカワ・フード・プランニングの略のようですが、手羽先唐揚や味噌煮込みうどんなどの名古屋メシを中心に関東で展開しているようです。どんな経緯で投資ファンドの出資を受け入れたのかがよく分かりませんね。
買収価格はDCF法で評価した結果という説明でしたが、DCF法は今後の利益成長率をどう見るか?割引率をどうするか?などの前提条件を少し変えるだけで、思い通りの評価額にできてしまう恣意性が高い評価法なので、私はあまり好きではありません。オリンパスの飛ばし事件でも買収子会社の成長率を高めに見積もることで、法外に高いDCF評価額を正当化して飛ばしに使っていました。
相手が投資ファンドだと、会社をお化粧して割高なDCF評価額で押し付けられる可能性もあるので、今後投資額に見合った業績を出していけるのかは少し心配ですね。
ポラリスキャピタルグループのホームページに、今回の売却についてのプレスリリースが出ていて、
「ポラリスは2010年12月の投資実行以来、SFPの目指す株式上場を全面的に支援し、昨年秋の第一次資本政策で当時100%保有していた株式持分のうち30.4%をSFPの取引先等の安定株主複数社に譲渡し、その後、第二次資本政策を経て株式上場を実現することを目指して参りました」
と書いてあります。ポラリスが株式の100%を保有していたようです。投資時期から見て、リーマンショックで業績が厳しくなり、投資ファンドの傘下に入ったのでしょうか?ポラリスは株式公開での出口戦略を描いていたようですが、クリエイト・レストランツに売却した方が不確定な上場を待つより早く資金回収でき、高く売れそう?と考え、今回のディールが成立したようです。さらに
「ショッピングセンターを中心にレストラン事業を展開するクリエイト・レストランツと繁華街・路面店を中心に専門店を展開するSFPは事業展開においては相互補完の関係にあり、SFPがクリエイト・レストランツとの資本提携において引き続き株式上場を目指していくことがSFPの更なる企業価値向上に繋がる」と判断して株式譲渡を決定したと書いてあります。
SFPダイニングが株式上場を目指していく方針に変わりはないようです。
今後もSFPが株式上場を目指していて、更なる企業価値向上が見込めるなら、新規公開時の価格は今回の譲渡価格より高くなるはずです。だとすれば10%なりの一部株式を保有し続けるという選択肢もあったと思いますが、全保有株を売却していることから、いま売った方が儲かると判断したと思われます。実際の行動とリリースに違和感があり、高く売りつける(笑)ために最上級の賛辞を贈っている可能性もありそうです。買ってしまったものはしょうがないので、業績を伸ばせるように両社で頑張って欲しいですね。
(6-2)もう1社のイートウォークは、オーナーシェフ渡邉明氏が全面に出た会社だが、渡邉明シェフのブログを見るとダイヤモンドダイニングが大好きなようだ(笑)
方針が合わなくなったなどの理由でシェフが会社を離れてしまうと、イートウォークの価値は大きく低下してしまうが、そのようなリスクにどのように対処していくのか?
→(川井専務)ご指摘のようにイートウォークの「AW kitchen」や「やさい家めい」などは、渡邉明社長兼シェフが独自に開発して運営しているブランドです。渡邉明シェフはまだ年齢も若いですし、事業意欲をいっぱい持っていて、この2ブランドをもっと広めていきたい、ブラッシュアップしていきたいと仰っている。これら2社のグループ化により、クリエイト・レストランツグループをさらに成長させていけると考えている。
(社長)外食産業のM&Aは、大きな居酒屋が小さな居酒屋を吸収するなど、規模拡大を目指すものが多かった。クリエイト・レストランツはマルチブランド戦略なので、今まで色々なことをやってきたが失敗も多かった。我々が得意なのは商業施設の中でビュッフェ形式のレストランを運営することであり、居酒屋にも挑戦したがあまりうまくいかず、居酒屋専門会社の強みを痛感した。クリエイト・レストランツはグループ経営を標榜しており、色々なDNAをグループ内に取り込んでいきたい。色々なDNAを我々の色に染めるのではなくてグループ内で共存し、求心力としては全体としてコストを下げる、コンプライアンスを強化するなどに取り組み、成長戦略としてはそれぞれが強みを活かしながら伸ばしていきたい。
質問のあったイートウォークについては、渡邉明シェフがこれからも気持ちよく働いて頂けることが大事になると思っている。
SFPダイニングも含めて経営陣で話し合いをしているが、とても良い関係を築けており、お互いに足りない部分を補完できるし、今後もさらにシナジー効果を高められるように未来について語り合い、グループ全体として成長していきたい。
(注記)ググっていたら下記の記事を見付けました。かなりポジティブに評価しているようです。
イートウォークはクリエイト・レストランツで花開く。〜フードリンクニュース
渡邉明氏 クックビズインタビュー
渡邉明シェフってどこかで聞いたような?という感じがしていたんですが、グローバルダイニングの総料理長だったんですね!グローバルダイニングの株主総会で、有能な人は辞めていき繁盛店を経営しているのに、グローバルダイニングは...みたいな感じで名前が出ていたように記憶しています。
お互いに気持ちよく協業しながら、ともに成長していくことを期待しています。
さらに盛り上がる!?後半の質疑応答の様子は、続編をお待ちください。
クリエイト・レストランツ2013年株主総会レポート2 作成中
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