グリーGREEの株主総会に参加するのは昨年に続いて2回目です。
昨年の様子は → グリーGREE 2011年株主総会レポート
ライバルの株主総会レポートは → ディーエヌエーDeNA 2012年株主総会レポート
2012年9月25日(火)の株価 1,534円(東証1部 3632)100株単位 6月決算
PER 7.32倍、PBR 4.28倍、配当利回り 1.96%、株主資本比率 50.7%
監査費用 3,200万円(売上比0.02%、営業利益比0.04%、前年比2百万円増) 新日本監査法人
株主優待 なし
グリーGREE(3632)のホームページ
グリーGREE(3632)のヤフー株価情報

最近2年間の株価推移を見ると、2011年11月頃までは順調に上昇していましたが、その後は横ばいから下落基調となり、2012年5月にはコンプガチャ問題で暴落という激しい展開になっています。株主総会でも暴落前に買った株主と暴落後に買った株主では、グリーの現状認識も大きく異なっていました。株価下落によりPERは7倍台と割安感も出てきましたが、低いPERは今後の成長鈍化を織り込んでいる可能性もあり、判断が難しいですね。
スケジュール
10:02〜10:25 報告事項
10:03〜10:04 役員紹介 株価低迷により拍手なし^_^;
10:06〜10:08 監査報告 田中善一郎常勤監査役
10:08〜10:25 事業報告 映像と女性ナレーション
10:25〜10:33 決議事項の説明
第1号議案 剰余金の配当の件 30円 前年から21円増配、配当性向14.5%
第2号議案 定款一部変更の件
事業目的を大幅に追加、取締役・監査役の員数を各々1名増加して10名・4名に変更など
第3号議案 取締役7名選任の件
任期満了に伴い全員改選、社内取締役4名全員再任、吉田大成執行役新任、社外2名は1名交代
第4号議案 監査役3名選任の件 任期満了に伴い全員改選、常勤監査役交代
第5号議案 取締役及び監査役の報酬額改定の件
取締役報酬 年額3億→5億円、監査役報酬 年額4千万→6千万円に増額
第6号議案 取締役に対する株式報酬型ストックオプション報酬額及び内容決定に関する件
役員報酬とは別枠で年額3億円以内の範囲で取締役にストックオプションを付与
10:35〜11:33 質疑応答 質問者9人 計20件 58分
11:34〜11:37 決議事項の採決 拍手方式 すべて可決
11:37〜11:38 新任役員紹介 名前とよろしくのみ マイクなし

お土産 ハンドタオル、メモ帳、ボールペンのGREEグッズと水1本 後渡し
飲み物サービス なし
経営戦略説明会 なし
注目の株主総会格付けですが、お土産は用意されているものの、同業のDeNAと比べてもあまり株主が喜ぶものではありません。質問への回答も想定問答に沿ってあっさりという感じでした。これらを総合的に判断し、グリーGREE(3632)の2012年株主総会格付けは昨年同様 『D−』 としました。
議決権を有する株主数 42,764名、その議決権数 2,337,942個
議決権返送&出席株主数 7,536名、その議決権数 1,845,635個(78.9%)
グリーの株主総会は今年は場所が変わり、渋谷のセルリアンタワー東急ホテルで行われました。サイバーエージェントやGMOインターネットなども株主総会を行っているネット系御用達の会場です(笑)
会場内には椅子がびっしりと並べられていましたが、係員が前半分に誘導していて半分でも十分という感じでした。正面には大きなスクリーンがあり、事業報告などで使用していました。
田中良和社長以下、役員の方々はスーツ・ネクタイ姿でクールビズ総会ではありませんでした。
お土産は上記写真の通り自社グッズと水1本でしたが、昨年よりもさらに寂しくなっていました。同業のDeNAはお菓子とベイスターズグッズであり、株主が喜びそうなものを用意しているのに対し、グリーはそういった考えは無いようです。飲み物サービスもないので、水の入ったお土産を先に渡せばいいのに、なぜか株主総会終了後に渡していたので会場出口は大混雑でした。もう少し改善して欲しいですね!
お土産対決では2年連続でDeNAの圧勝だと思います。
今回の議案を見ても、役員数を増やしたり、役員報酬上限を大幅に増額したり、ストックオプションを付与するなど、役員の方々に利益を還元する議案が目立ち、株主よりも自分たちの方が大事なのかな?と感じてしまいます。お土産の恨みは怖いです^_^;
とはいえもう少し株主の方も向いた経営をして欲しいですね!
定刻になったので、と事務局からアナウンスがあり株主総会が始まりましたが、グリー時間は2分遅れているようで(笑)10時2分に開始となりました。定刻になっても始まらないので、気の短い株主は事務局に定刻だぞー!とアピールしていました。
新しい株主も増えたのでまずは役員紹介から始まりました。しかし株価が低迷しているからか、役員が紹介されても拍手は起こりませんでした。
株価が堅調なら割れんばかりの拍手が沸き起こったものと思われます(笑)
営業報告はスクリーンを使って映像とナレーションで行われました。
事業報告を読上げという感じで、特に印象には残りませんでした。
最後に田中良和社長から、
株主の皆様のご支援もあり、今期は過去最高益を計上できた。今後も事業拡大に邁進していくので、これからもご支援いただきたい
との挨拶がありました。
続いて議案の説明がありましたが、上記のように役員の方々に報いる議案が多かったですね。
定款変更ではインターネットのドメイン取得やホスティングサービス、コールセンターの運営から、古物売買業、芸能タレントのマネジメント事業、遊技場、飲食店、宿泊施設の運営、投資顧問業、金融商品の運用・投資、有料職業紹介事業、旅行業、療術業他多数の事業目的を追加していて、一体グリーという会社は今後何を目指すのかよく分かりませんね。
競合会社を意識してわざと関係ない事業目的を追加したのか、今後は儲かりそうなら何でもやるつもりなのか意図がよく理解できませんでした。
役員報酬の上限も経済情勢の変化等諸般の事情を勘案して67%増額しますが、最近はずっとデフレが続いており、67%も人件費が増えるような経済情勢の変化が起きているんでしょうか?
と言っても実際の支給額は社内取締役が4名で9,700万円で、社外取締役は1名は無報酬、1名は1,200万円になっています。まだまだ上限までは十分に余裕がありますし、このタイミングで上限を引き上げる必要があったのかは疑問ですね。
今期しっかりと利益を上げたうえで、来年の株主総会に上程しても十分間に合うと思いますし、その方が株主の受ける印象も変わってくると思います。
質疑応答はその場で起立して行う形式で、特に質問数の制限などはありませんでした。
DeNAと比べると株価が低迷しているので、株価対策についての質問や株価低迷に対する不満を経営陣にぶつける株主が多かったですね。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)コンプガチャ問題で株価が下がり大きな打撃を受け、心配で株主総会に来た。ガイドラインを作るということだが、それで問題が解決できるのか?
→(山岸広太郎副社長事業戦略本部長)2012年3月に未成年の使い過ぎの問題やリアルマネートレードRMTを防止する取組みを進めてきたが、5月からマスコミでコンプガチャ問題が取り上げられるようになった。それまでは消費者庁もコンプガチャは問題ないという見解だったが、5月に認識が変わり景表法に抵触することになった。グリーとしても消費者庁の指導に従い対応している。大きくは未成年の使い過ぎやRMTが問題なので、全般的に対策に取り組んでいく。
(2-1)コンプガチャ問題が発生したのは倫理観やコンプライアンス意識が不足していたからではないか?社外取締役のチェック機能が働いていないのではないか。今回も同じ人を社外取締役として再任するが問題があるのではないか?候補の2人はそれぞれ4社、5社の役員を兼任しており、グリーのためにほとんど仕事ができないのではないか。
→コンプガチャ問題は大きな問題であり、取締役会でも活発に議論して決めている。兼務は多いが取締役会にも出席いただいており問題ない。
(3-1)同業のディーエヌエーDeNAはコンプガチャ問題発生前の株価を回復しているのに、グリーは6割程度にとどまっている。田中社長はグリーには何が足りないと考えているのか?(会場から大きな拍手)
→他社の株価には言及できない。株価低迷でご迷惑をおかけしていることは申し訳ないと思っている。
株価が上がるよう業績を向上させていきたい。
(4-2)DeNAに株価で1,100円以上も差を付けられている。一時はグリーの方が高かったのに、現状をどう考えているのか?グリーは自社株買いなどの株価対策も全く行っていない!
→先ほどの繰り返しになるが、市場を拡大し業績を伸ばしていくことに尽きる。国内ではコンプガチャ問題の対応に追われてきたが、今後新しいサービスも投入していく。グリーについて理解を深めてもらうことも重要であり、海外の投資家になどにも説明している。
(注記)5月以降の株価推移について不満に感じている株主が多いようです。特にDeNAは自社株買いなども行い、9月20日に年初来高値を更新しています。

過去6ヵ月の株価推移を比較すると、上記の通りDeNAが自社株買いを発表した6月中旬以降差が開いています。グリー株主としては、何ら手を打たないグリー経営陣に対して不満に感じるのもやむを得ないのかもしれませんね。
ただもう少し期間を長くして、過去2年の株価推移を比較してみると面白いことが分かります。

上記比較チャートの通り、2年間で見ると両社の株価に差はほとんどありません。2年間保有していたらどちらでも同じだったということです。むしろグリーの方が株価が倍以上に上がっており、ほとんどプラス圏で推移しているので幸せ感が大きかったとも言えます。逆に言えばなぜあそこで売らなかったんだろう!という後悔の念も大きいと言えますが^_^;
どちらにしろグリーでもDeNAでも2年間保有してもほとんど買値と同じで儲かっていないわけですし、日経平均並みのリターンしか得られていないことになります。人気株は売り時の判断が難しいですね!
(5-2)田中社長はインタビュー記事で、10億人が利用するサービスを作りたいと話していたが、具体的にどのようなサービスを考えているのか説明して欲しい。
→競合先に知られると困るので具体的には話せないが、既存事業以外の分野にも機会があれば進出したい。すでにキャラクタービジネスなどを始めている。
(6-2)海外事業の現状はどうなっているのか?
→現状は国内の売上がほとんどだが、今後は海外からも10%くらいは課金収入が入る様に伸ばしていきたい。新プラットフォームを投入しており、海外の売上を伸ばしていきたい。
(7-3)今朝のテレビで親の名義でゲームをしていて、150万円位請求が来たというニュースが流れていた。未成年の使用上限を設けても、親の名義でやればチェックできないし、抜け道が多くてまた問題になるのではないか?
→(山岸)広報と営業を担当しており回答する。今朝は株主総会の準備をしていたのでそのニュースは確認していない。グリーが問題になっているのかこの場では分からない。課金の上限を設定しており、5月以降は150万円もの請求になることはない。消費者庁とも連絡を密に取り、防止策を整えていく。
→(田中社長)グリーとしてもユーザーの使い過ぎを望んでいないし、適正な利用の啓発に努めている。さらに上限金額を設定するなど使い過ぎ出来ないような対応も行っている。
低迷する株価に対し、経営陣が何も手を打っていない(様に見える?)ので、株主の不満が炸裂!という感じで、長々と意見を述べる株主が多かったですね。それに対する会社側の回答は想定問答通りという感じなので、株主の不満も収まらず、同じような質問が続くという展開でした。
グリーとしては今年は特に株主の質問が想定しやすいですし、DeNAの株主総会が6月に開催されているので、このブログを見てライバル企業の質疑応答の様子を十分に研究していると思われるので(笑)落ち着いて対応できているようです。
グリーさんには1クリック100円くらいでブログ閲覧料を課金しようかな?
質問1件ごとに100円で眼鏡アイテムを買うと、より詳しい質疑応答の内容が見られるとか(笑)
まだまだ質問は続きます。後半の質問の様子はグリー2012年株主総会レポート2をご覧ください。
グリーGREE 2012年株主総会レポート2
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タグ:グリー2012年株主総会