2011年10月13日(木)11時から、名古屋市東区千種のメルパルク名古屋2階 瑞雲の間 で開催された
ゲオ(2681)臨時株主総会に出席しました。
ゲオはDVDレンタル店などを全国展開している会社ですが、不明朗な取引が浮かび上がってきたことで最近は内紛状態になっています。今回の臨時株主総会では5名の社外取締役を選任し、社内を徹底的に調査しガバナンスの効いた会社になる第一歩とするために開催されました。
ここまでの内紛の経緯などは私なりにまとめていますので、下記の記事などをご覧ください。あくまで1株主の意見なので、なかには的外れな内容もあると思います。
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ゲオの株主総会に参加するのは
2008年のゲオ第20期定時株主総会以来になります。
2011年10月13日(木)前場の株価 75,000円(東証1部 2681)1株単位 3月決算
PER 5.1倍、PBR 0.91倍、配当利回り 4.00%、株主資本比率 37.5%
監査費用 7,400万円(売上比 0.03%、営業利益比 0.53%) 監査法人トーマツ
株主優待 株数に応じてレンタル半額券贈呈
詳しくは
ゲオ 株主優待情報ページ ゲオ(2681)のホームページ ゲオ(2681)のヤフー株価情報
上記は過去6ヵ月間の株価推移ですが、7月初めに内紛が表面化した当初はそれほど株価には影響していませんでしたが、臨時株主総会の開催が決まり色々な問題が表面化しそうだ!となってきた9月以降株価が下落基調になっています。臨時株主総会直前には何か問題が出るのでは?という恐れなのか株価が急落しています。一方で業績は順調に推移しています。早く膿を出し切って、また以前のゲオを取り戻して欲しいですね。
2012/3計画 270,020百万円 8,000百万円 14,710.53円
スケジュール 11:01〜11:04 役員一同起立して森原哲也社長からお詫びの言葉
11:04〜11:06 議事進行についての説明など
11:06〜11:07 議案説明
第1号議案 定款一部変更の件 取締役の任期を2年から1年に変更
第2号議案 取締役5名選任の件 取締役の業務執行を監督するため社外取締役を5名選任
11:07〜11:20 質疑応答
質問者5人 計6件 13分11:20〜11:21 議案採決
11:21〜11:24 新任社外取締役から1人ずつ所信表明
お土産 ソフトガトー10個 賞味期限2012年3月17日 後渡し
飲み物サービス コーヒー、紅茶、ウーロン茶、オレンジジュース
経営戦略説明会 なし 議決権を有する株主数 34,313名、その議決権数 543,828個
議決権返送&出席株主数 4,956名、その議決権数 433,830個(79.8%)

ゲオの臨時株主総会は、前場が終了後の11時からメルパルク名古屋で行われました。最近のゲオは10時から株主総会を開いていましたが、11時からにしたのは株式市場への影響を考えてなのでしょうか?
会場内には椅子が並べられ、(8+8+8+8)×19列位のレイアウトで600人分くらいの席が用意されていました。出席者数は思ったより少なくて202名(新聞報道による)でした。
株主総会前には別室で飲み物サービスもあり、株主総会後にはお土産も用意されていて、いつものゲオの株主総会という対応でした。
受付時に出席票と下記のアンケート用紙が渡されました。

この出席票を見れば、相当早い段階で議案が可決されるか否決されるかは決まっていたようです。
ぎりぎりまで可否が分からない場合、株主総会の採決の場で可否が決まる事態も考えられるので、下記のサッポロホールディングスの株主総会記事にあるような出席票が用意されます。
サッポロホールディングス(2501)2010年株主総会レポート〜その3株主毎に議決権数が異なるので、議案毎に切り離せるような出席票を使ってその場で賛否を集計します。私も過去2回ほどこのような出席票を見かけましたが、実際にその場で集計を行ったことはありません。こういった出席票を用意しなかったということは、相当早い段階で議案が可決することが確実だったようです。とはいえ第1号議案は定款の変更であり、議決権行使者の2/3以上の賛成が必要というハードルの高い議案です。それなのに早い段階で可決が見えていたということは、大株主中心に早い段階で賛成する株主が多かったようです。
総議決権数の8割近い議決権が行使されましたが、
行使した株主数でみるとわずか14.4%であり、ほとんどの個人株主は議決権を行使していないことになります。
こういった個人株主の姿勢が、結局は個人株主軽視につながっているような気がして残念です。会社側からすると、個人株主など適当に株主優待を与えておけば何をしても文句を言わないと思われてしまい、機関投資家重視のIR姿勢になってしまうのだと感じます。
今回のゲオ内紛については、個人株主の間でも関心が高かったと思いますし、もっと多くの株主が議決権を行使すると思っていましたが、14.4%とはとても残念な結果でした。
11時に司会の人から株主総会中の注意事項の説明があり、ゲオ臨時株主総会が始まりました。
検査役の方の要請で、株主総会の様子をビデオ撮影しているとの説明がありました。
最初に森原哲也社長から元気よくおはようございますと挨拶がありましたが、挨拶を返したのは数人くらいで、問題を起こして開催される臨時株主総会らしいですね(笑)
挨拶が終わると役員全員が起立し、森原哲也社長からお詫びのひとことがありました。
(
森原哲也社長からのお詫びの言葉)開会に先立ちまして一言申し上げさせて頂きます。
ゲオについての不明朗取引、取締役の内部規定違反などの新聞報道により、株主様、お客様、関係者の皆様に多大なる心配をお掛けしましたことを心からお詫び申し上げます。(全員長々と一礼)
当社の対応としては、
監査役会を中心に不明朗取引の存在、取締役に対する辞任勧告の妥当性等について現在調査中です。
調査中のため具体的にお話しできない部分もあることを株主様にはご了承いただきたい。今後監査役会から出される提言、本株主総会でご審議頂く定款変更、社外取締役の選任を含めた再発防止策を講じ、ゲオおよびゲオグループ全体の内部統制システムを強化していくとともに、ゲオグループにおけるコンプライアンス意識の向上やリスク意識の改革を図っていきますので、株主の皆様におかれましては従前通りのご支援を賜りたく、お詫びするとともにお願い申し上げます。
低姿勢のお詫びの様に見えて、いきなり先制パンチが飛んできました。不明朗な取引などについては現在調査中なので、具体的なことには答えられないそうです。
当初は社内調査さえ拒否していた森原哲也社長が、株主総会では調査中を盾に回答を拒むとは、都合の良い説明だな〜と感じました。7月初めに調査を始めていたら株主総会できちんと報告ができたかもしれないのに、調査を遅らせたうえに、株主の質問に答えないための方便に使うとは、さすが森原哲也社長は切れ者だな〜と改めて感じました(笑)とはいえ森原哲也社長を見るのは初めてですが、そんな悪い人の様にも見えませんでした。まだまだ私が甘いのかもしれませんが。
続いて議決権数などの報告があり、議案の説明となりました。森原社長が書いてある内容を読上げるだけですぐに終わり、続いて質疑応答となりました。質問がある人は手を挙げて、森原社長の指名を受け、その場で起立して出席票の番号と名前を述べてから質問します。
森原社長からは、要点をまとめて簡潔に質問してほしい、
なるべく多くの株主様の質問に答えるために1人原則1問でお願いしたいとの説明がありました。
先制パンチに続いて第二弾が飛んできました。1人原則1問しか質問を受付けないそうです。具体的な内容には答えられない、質問は1人1問までとは本当に株主と対話しようという考えがあるのか疑問に感じてしまいます。
質問のある株主様は挙手をお願いします、と森原社長が呼びかけましたが、会場内はし〜んと静まり返っていて誰も手を挙げません。誰も質問する人がいないのに、
なるべく多くの株主様の質問に答えるために1人原則1問でお願いしたいとは滑稽ですね。こんな状況なら1人何問でも構わないのでぜひ質問してくださいとお願いすべきだと思います。10秒以上も静まり返った状態が続き、このままでは質問ゼロで終わってしまいそうだったので、やむなく質問させて頂きました(笑)
メモに専念しようと思ったのに、
誰も手を挙げないなんてそれこそサプライズでした。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)会社側の主張は新聞などを通じて伝わってきているが、遠藤取締役側の主張はほとんど報道されないので株主まで伝わってこない。なぜ今回臨時株主総会の請求まで行わなければならなくなったのか、これまでの経緯について遠藤取締役から詳しく説明して欲しい。
→(
遠藤結蔵取締役)色々な経緯があり、私およびその他の株主から株主総会を開いて頂きたいと会社側に要請した。
社内で協議の末、全会一致・全員賛成で臨時株主総会を開くことになった。主張というか総会を開く趣旨については、私たちが主張していることと今回の招集通知に記載されている趣旨はほとんど同じです。
詳細の経緯などについては、冒頭森原社長から説明があったように現在調査中のためこの場では申し上げられない。もし説明する必要が出てきた時には改めて報告申し上げたい。
(
森原哲也社長)(臨時株主総会を開く)きっかけは株主様からの請求だったが、今回の臨時株主総会はゲオとして開かせて頂いている。第1号議案については、取締役の任期を1年とすることで、株主様から信任を受ける機会を毎年行うことになり、株主のコントロールを強化することができる。第2号議案については、ゲオは残念ながら不祥事等が続いており、社内で改めてガバナンス体制を作るために5人の社外取締役の方に入って頂き、
改めて体制を立て直して、取締役一丸となってまたこれから頑張っていきたいという趣旨なので、ご理解頂きたい。
(
注記)遠藤取締役も含めて超安全運転の回答ですね。森原社長の
体制を立て直して、取締役一丸となってまたこれから頑張っていきたいという発言からは、現在の取締役には何も問題はないと宣言しているようにも感じてしまいます。この一連の発言だけを聞くと、取締役内の内紛は丸く収まり、これからはまた仲良くやって行こうよ!という感じさえしてしまいます。現状の取締役会では問題を解決できないから、あるいは取締役自体に問題があって自浄作用が働かないから社外取締役に入ってもらう必要があったのではないでしょうか?
森原社長の発言では、取締役の任期を1年にしたり、社外取締役を迎えることは会社側としても大賛成だ!という感じでした。なんか内紛が報道され始めた頃の印象とはかなり違うんですが(^_^;)
発言を聞いていると、実は私も臨時株主総会の請求を待っていたんですよ〜とでも言いそうな感じでした。
そんなに大賛成なら6月の定時株主総会に提案すればいいのに、今になって大賛成と言われてもなんか釈然としませんね。
次の方〜、と呼びかけるもまた会場内はし〜ん、一体150人の方々は何をしにきたんでしょうか?
またしても10秒以上し〜んとしているので、これで打ち切りか!と危機感を抱き再度手を挙げました。
(
森原哲也社長)すみません、原則1問ですが、それではもう一度だけ
(2-1)
誰も質問しないんだから1問に制限しなくてもいいのではないか?
新しく取締役になる方にお聞きしたい。取締役に選任されたらどのようなことに取り組んでいきたいのか、1人ずつ所信表明をお願いしたい。
→それは採決後に若干のご挨拶を頂きたいと思っている。
それからは質問が何人か続きました。もっと早く手を挙げてくれたらいいのにね〜
(3-2)不明朗取引は社内調査中という説明だったが、調査中なのに一気に取締役を5人増やすなど急ぐ必要があるのか?半年ほど待てば定時株主総会もある。調査結果が出てからでもいいのでは?
→ありがとうございます。臨時株主総会にまで足を運んでいただき、大変申し訳なく思っています。
会社としては襟を正す思いで必要だと判断した。拙速に感じられるかもしれないが、
それぐらい重要ですぐに対処しなければならないという会社側の危機感の表れです。
(
注記)現状の役員体制では公正な社内調査ができないから、臨時株主総会を開いて社外取締役の選任をお願いしているんですが(^_^;)
大部分の個人株主はいまゲオで起こっていることなんてまったく気にしていないのかもしれませんね。
臨時株主総会にまで足を運んでいただき大変申し訳なく思っている割には、質問はせずに帰って欲しい様で(笑)本当に申し訳なく思っているなら、質問には包み隠さず回答する姿勢が求められるのではないでしょうか?調査中なので何も答えられないなら、質疑応答の意味がありません。
(4-3)役員が5〜6人しかいないのに、新たに社外取締役を5人も増やす必要があるのか?社外取締役はどんな仕事をするのか?役員と1対1で毎日仕事状況を監査するのか?それぞれの役割を教えてほしい。
→社外取締役の方々には特定の職務をお願いすることにはならないと理解している。我々常勤取締役の職務の執行を監督して頂くことと、取締役会に出て頂いて、取締役会の運営や意思決定について適切なアドバイスを頂いたり、コンプライアンスについてご指導いただくというのが主な役割になる。5名というのは多いと感じるかもしれないが、弁護士・会計士の方から複数の有識者の方を選ばせて頂いた結果。
(
注記)
ここまでの説明を聞いていると社外取締役は会社側が選び、臨時株主総会も会社側が開催を請求したかのような錯覚を覚えます。経緯を何も知らない株主はそう感じたのではないでしょうか?
今回社外取締役を5名にしたのにはもっと切実な理由があります。
けっして森原社長の説明したような理由ではありません。現状ゲオの取締役は7名います。その7名が、沢田喜代則会長・森原哲也社長ラインと遠藤結蔵取締役・大橋一太取締役に分かれて内紛状態になっているわけです。沢田派と遠藤派の経営権争いになっています。
沢田派は、沢田喜代則代表取締役会長、森原哲也代表取締役社長、久保田副社長、清水取締役
と強力な布陣であり、現在ゲオの権力を掌握しています。(今では少し風向きが変わっているかも)
清水取締役は中間派だと思っていましたが、沢田氏の側に取り込まれているようです。
一方遠藤派は、遠藤結蔵取締役(実質筆頭株主)、大橋一太取締役の2名に吉川恭史取締役が加わっている状況です。
このため7月21日の取締役会での大橋一太取締役の辞任勧告決議は、4対3で可決されました。
沢田派、遠藤派の固定票は3票と2票で、清水取締役と吉川取締役は浮動票という印象なので、もし社外取締役が4名でかつ大橋一太取締役が辞任してしまうと、
取締役は10名 沢田派(最大)5票、遠藤派5票となって、同数になり2名の代表取締役のいる沢田派が有利になります。
それが社外取締役が5名であれば、たとえ大橋一太取締役が辞任したとしても
取締役は11名 沢田派(最大)5票、遠藤派6票となって取締役会を沢田派に牛耳られることがなくなります。
7月21日の取締役会での大橋一太取締役の辞任勧告決議可決に危機感を抱いた遠藤結蔵取締役が、社外取締役は最低でも5名必要だと判断した結果、今回5名の選任となったというのが正しい回答だと思います。まあこんな回答は森原社長からはできませんけどね(笑)
(5-4)臨時株主総会に期待して参加したが、あまりにも説明が不足している。招集通知に書いてある通り、では話にならない。せめてどうしてこの5名を選んだのかなど詳しく説明して欲しい。
→招集通知の下段の所に1人ずつ候補とした理由が書いてある。北島先生は特捜部の副部長までされた方で立派な経歴をお持ちの方ですし、どちらの先生方も素晴らしい見識をお持ちの方ばかりで、ゲオに入って頂ければその知識と能力を活かして、我々に適切なアドバイスをしていただけると考えている。ちょっと多いかもしれないが、5名の候補を選ばせて頂いた。詳しくは招集通知を見て頂きたい。
(
注記)まあ選んだのは会社側ではなく遠藤結蔵取締役側なので、森原社長に回答を求めるのは筋違いかもしれませんね。遠藤取締役に説明してもらえば良かったと思います。
(6-5)新聞等の報道では大橋取締役の株式売却について一方的な報道が多いように感じる。ぜひ大橋取締役本人から経緯など説明して欲しい。
→冒頭で説明した通り、処分の妥当性についても現在調査中です。詳しい経緯についての説明は差し控えさせて頂く。
(
注記)あまりにも株主を馬鹿にした答弁ですね。社内の根回しをして辞任勧告決議を可決させ、意気揚々とプレスリリースを出して、翌日以降の
インサイダー取引疑惑!という多くの報道もそのままにしておいて(まあ翌日インサイダーとは言っていないという簡単なリリースは出しましたが)、さらにはゲオ関係者なる人物を使って毎日新聞上で大橋取締役や遠藤結蔵取締役を非難する記事を書かせておきながら、今になって
取締役への辞任勧告という処分の妥当性についても現在調査中とはね。
もっと株主総会の場で、遠藤結蔵取締役や大橋一太取締役から自らの想いを語って欲しかったんですが、期待したような発言はありませんでした。社外取締役5名が入ればおのずと事実が明らかになるからこの場で事を荒立てることもない、という判断なのか、会社側から発言を制限されていたのかは分かりませんが、普段報道されることのほとんどない遠藤結蔵取締役側の発言を聞くために臨時株主総会に出席したのに、ほとんど発言を聞けなかったことはとても残念です。
以上で質問も出尽くし、質疑応答は終了となりました。
続いて採決となりましたが、会場からも拍手多数で問題なく全議案が可決となりました。
その後新任取締役から一言の挨拶も含めて紹介がありました。挨拶の様子などは後ほどまとめます。
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