

質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(3-2)経営基盤を強化するため取締役を増員すると書いてあるが、もう少し掘り下げて説明して欲しい。色々な理由があると思うが、社外的に取締役の方が体面が良いとか意識を鼓舞するためなどという理由では納得できない。
→環境の変化とはフューチャーフォンいわゆるガラケー(日本独自のガラパゴス携帯)からスマートフォンへ移行していることで、今後も確実に伸びていく。現状のフューチャーフォンの市場も大事だが、スマホへの対応も重要になる。ザッパラスはフューチャーフォンからの収益が大半を占めているが、この市場もあるセグメントでは縮小しているかもしれないが、全体としてはまだ伸びている。占いコンテンツについても飽和感が出てきた部分については前期はシェアを伸ばすことができ、残存者利益を確保できている。残存者利益をしっかりと確保し、それを新市場向けの投資に回していくことが重要。昨年も説明した通りスマートフォン対応も進んでいて、4月以降タロット占いなどを順次投入し、すでに10数本を投入している。
(4-2)他社では執行役員制度を導入するのが一般的なのに、業務執行を強化するためになぜ取締役を増員しないといけないのか?
→先ほど社員数に比べて役員が多すぎるという指摘もあったが、逆にこの社員数だから経営と執行が一体となって事業展開を行った方が良いという考えもある。一方で経営を監視するという面も大事なので、社外役員として美澤臣一氏も選任している。
(5-2)取締役を増員することで職務分担はどう変わるのか?新任取締役は後ほど挨拶すると思うが、名前だけではなくて担当業務や今後の抱負など意気込みを1人ずつ話して欲しい。
→社外役員の2名は独立役員として経営の監視を行ってもらう。社長の私は引き続き経営全般を担当する。新任候補の小楠裕彦はザッパラスの主力である占いコンテンツを統括しているが、占いに留まらずデジタルコンテンツ全般を担当してもらう。柴田幸男は広告宣伝などのマーケティング部門のトップとして、独自のマーケティングによる最適な広告出稿という課題を担当したり、会員データベースを構築するなどの業務を行っている。中村亮は、スマートフォンになってくるとプレーヤーも変わってくるので、新規事業の開拓やアライアンスなどの外交面や営業面などを担当している。川嶋真理については引き続き小楠を中心とする占いを中心としたオペレーション部分と経営戦略の部分を統括してもらう。
挨拶をという提案があったが、私も挨拶は必要だと思うが...壇上にもいないし...(と急にトーンダウンしてしまいました苦笑)株主総会後に顔はご覧頂けると思うが...(今は株主に背を向けていますからね

(注記)取締役選任議案が出ているんですから、株主の前で採決の前に所信表明するのは当然のことだと思います。その所信表明を受けて議案に賛成してもいいかどうか株主が判断するというのが本来の姿だと思います。株主総会後に挨拶したり、株主通信に載せているのを読んでしまった!と思っても手遅れになってしまいます。ぜひ議案採決前に抱負を述べたり、あるいは招集通知の取締役選任議案の所に、経歴とともに取締役となって何をしたいのかしっかりと記載して欲しいと思います。実際そのような対応をしている会社も徐々に増えてきています。株主総会の本来の位置付けを考えれば当然の対応だと思います。結局最後の挨拶もよろしくお願いしますだけでした

(6-3)アナリストからは、ザッパラスはスマートフォンへの対応が遅れて業績が踊り場と言われており、株価も低迷する中で今年は諸般の事情により事業説明会を見送るとの案内があった。株主が先行きに不安を感じている時こそ、経営者は率直にザッパラスの現状と今後の戦略を説明する必要があると思う。このような株主の声を平井社長はどう受け止めるのか?説明会を開催できない諸般の事情とは何か?
→スマートフォン対応が遅れているという認識はない。スマートフォンの保有台数は10%程度で120億円程度の市場と言われている。スマホ市場はまだ黎明期であり、スマホ市場できちんと利益が確保できるような戦略を組み立ててから参入することが極めて重要。ザッパラスが抱えている600万人のお客様ががっかりしないように、きちんとした品質のものを提供する必要がある。4月から順次スマートフォン向けのコンテンツを提供しており、今後も増加していく。前回の説明会でも一部説明したように、10月にはザッパラスの会員の70%をカバーできるようなスマートフォン向けコンテンツを投入する予定。
スマホはまだバグが多かったり、課金手段がユーザーフレンドリーではない部分もあったりとか、コンテンツプロバイダーにとっては課金手数料が高かったりなど混沌としている部分もある。周りが対応しているからとか、株主総会で指摘されたから振り回されて慌てて対応するというのではなくて、きちんとしたコンテンツを作りザッパラスの顧客を裏切らないようなものをベストのタイミングで提供していきたい。
事業説明会については、ご指摘のあった東日本大震災の影響で節電への取り組みが求められており、会場内も皆さん少し暑いと思うかもしれないが設定温度を上げさせて頂いており、このようなご時世から事業説明会の開催を控えさせて頂いた。決して他意はない。さらに言えば株主総会のなかで質問や意見を頂き、活発に議論した方がより事業の説明になると思う。なので今回は開催を見送った。ただ頂いたご意見は真摯に受け止めて、状況に応じて年度内にはIR説明会や個人投資家向け説明会なども開催していきたいと考えているので、今後もご支援いただきたい。
(注記)節電に協力するため事業説明会を自粛したという説明でしたが、前の株主総会レポート1にも書いたように、私は会場内は非常に寒く感じました。これは個人差があると思いますが、積極的に節電に協力しているとは感じられませんでした。さらに言えば、節電対応として各家庭で冷房するより、暑い昼間は1ヵ所に集まって涼んだ方が全体としては節電になるはずです。この点からも節電に応えるために事業説明会を自粛するというのは筋が通らないと思います。節電を隠れ蓑に株主との対話から逃げているという印象をどうしても感じてしまいます。
事業説明会を行うより質疑応答の方が理解が深まるという発言もありましたが、これは裏を返せば質問が無かったことについては答えないという姿勢であり、臭いものには蓋的な印象も感じてしまいます。今まで事業説明会後にも質疑応答の時間がありましたし、説明を聞いたから出てくる疑問・意見などもたくさんあると思います。株主よりも経営陣の方がザッパラスの現状や取り巻く環境についてよく知っているわけですから、まずは株主に詳しく事業環境や戦略を説明したうえで、より理解を深めるために質疑応答を行うというのが求められている姿だと感じます。ぜひ来年の株主総会では株主とのコミュニケーションを深める事業説明会を開催してほしいと思います。
(7-3)東日本大震災が起き、将来への漠然とした不安が高まっている時こそ、占いを始めとする平井社長が言うスピリテイメントが求められているのではないかと感じる。今後のスピリテイメントの需要をどう考えているのか?
→昨年の4月にスピリテイメントを打ち出したが、東日本大震災の影響も多少あるかもしれないが、将来需要が確実に伸びていくと確信している。大震災後一番大きく変わったのは、家族や仲間との絆を大事にするようになり、より多くの時間を家で過ごすようになったりしている。またこれはプラス面ではないが、放射能汚染の問題を受けて口に入れるものについてより注意を払うようになった。将来的にはスピリテイメントの中にオーガニック食品とか、何を食べるのか、何を楽しむのかという部分を取捨選択し、本質的なものを提供するようなコンテンツがあってもいいのではないかと考えている。こうした点から今後スピリテイメントの需要は大きくなっていくと確信している。
(8-3)今期の業績はレンジで発表しているが、どのような事業環境になれば上限の業績を達成できるのか?今期計画の前提条件を説明して欲しい。
→今期の業績予想をレンジで発表した点については、株主の皆さんに分かりにくい印象を与えた部分もありお詫びしたい。スマートフォンが今後どのようなスピードで普及していくのか?についてはいろんな会社が様々な予測を発表しており、予測が本当に難しい。さらに全体の普及スピードに加えて、ザッパラスの会員がどの程度スマートフォンでのサービスに移行していくのか?という予測も必要になる。また携帯キャリアがiモードなどのネット接続サービスのアンドロイド対応をどうするのか?が秋頃にならないと見えない部分もある。このように不確定要素が多いので今回はレンジで発表した。
(注記)不確定要素が多いのは分かりましたが、どのような環境になれば上限の業績を達成できるのかについては説明がありませんでした。今までの説明の流れからすると、スマートフォンの普及が進まない方がザッパラスにとっては利益が出やすい環境の様なので、スマートフォンの普及が進めばレンジの下限に近付くと考えた方が良さそうです。

今年のザッパラスの株主総会では、社長が遠〜く感じられました

(9-4)会社から平井社長に1,200万円を貸し付けているが、なぜ会社が貸す必要があるのか?
→昨年取締役に就任したが、なぜ自社株を持っていないのかという指摘も先ほどあったように、私自身がザッパラスの株式を購入し株主の皆様とコミットするために、購入資金を会社から借りうけた。毎月返済しており残額が1,200万円になっている。株式の購入に当たっては利益相反などの問題はない。
(10-4)業績は増収増益で素晴らしいが、逆に時価総額は4期連続で減っている。4期前は370億円だったのに前期末では170億になり200億ほど減っている。今後どのように企業価値を高めていくのか?
→現在の株価が株主の皆様の期待に応えられていないという指摘については、役員一同真摯に受け止めている。株価は市場が決めるものであり、業績を向上させるのが最大の株価対策。企業価値を高められるように、業績をしっかりと向上させていきたい。皆さんが懸念しているスマートフォン対応についてをきっちりと手を打っていく。より多くの投資家に注目して頂けるような会社を目指しているので、ご理解頂きたい。
(11-5)ストックオプションの行使で650株増えているが、新株増加が株価低迷の要因では?
→今回の650株の内訳は、川嶋真理が600株、従業員が50株行使している。ストックオプションの総枠については、株価に影響がない範囲で付与しているので問題ないと思う。ストックオプションが時価総額にインパクトを与えることはないと考えてもらっていい。時価総額が下がっている点については真摯に受け止め、業績の改善に取り組んでいく。
(注記)取得した自社株を市場で売れば売り圧力が強まるわけですし、役職員が自社株を売っているというのは将来性に不安があるのではないか?と取られ、株価にはマイナスの影響があると思います。ストックオプションは株主と同じ立場に立って業績向上につながるものだという説明をされますが、あくまでオプションであり株価が下がれば行使しなければいいだけです。一方株主は株価が下がればそれだけ損失が拡大します。ストックオプションではなく現状の株価で買わなければいけない義務を課すなら、株主と同じ目線でという説明にも納得できます。ストックオプションではなくストック・デューティdutyにして欲しいものです。株価が下がっているのに毎年役員にストックオプションを付与している会社も多くあります。その場合行使価格は毎年切り下がっています。株価が下がれば下がるほど安い行使価格のSOを入手できることになるので、役員は本当に株価を上げようと思うのか疑問に感じることもあります。本質的に株主と同じ立場で経営に当たれるような仕組みを作って欲しいですね。
(12-6)自社株買いについてのフィロソフィー(哲学)を教えて欲しい。50億ほど手元キャッシュがあったので15億ほど買ったのだと思うが、自社株買いを行った考え方を教えてほしい。自社株買いは成長が止まって新たな投資先もないような会社が行うものだと思う。任天堂も1兆円ほど自社株買いを行っているが、多くの自社株買いがハッピーになっていない。12万円くらいで買って今は10万円を割っているので含み損になっている。これは何かの間違いなのか?私は自社株買いを軽々に行うのはいかがなものかと思う。決めたのは川嶋さんだと思うが、できれば川嶋さんのざっくばらんな感想をお聞きしたい。
→自社株買いは2010年3月にしたもので、現在9,685株を保有している。取締役会で決議したが、前経営陣の時の取締役会であり、川嶋も含めて現経営陣は関わっていない。議論の詳細は分からないが聞いている範囲では、今後の資本政策などの柔軟性を高めたいという思惑があった。株価を下支えしたいという思惑もあったかもしれない。今後自社株を使ったM&Aなどでの活用も考えている。ただ現時点では具体的な活用策はない。
(13-6)自社株買いは現金の活用方法を徹底的に議論したうえで決めるものだと思う。消却して株主価値を上げる前提なら理解できるが、将来M&Aで活用できるかもという説明では一般の株主は納得できない。前経営陣が決めたこと!ということは現経営陣には自社株買いの哲学はないということか?
→現経営陣と前経営陣の自社株買いに対する哲学が同じかどうかは分からない。資金効率を上げてROEを向上させる目的もあったと聞いている。現状自社株を保有しているわけで、これは有効な戦略オプションの一つだと考えている。たまたま株価が下がっているのでどうするんだ!という話になっているのかもしれないが、今後株価も上げていきたいと考えているし、そうなれば消却するよりM&Aで活用した方がベターということにもなる。状況に応じて適切な経営判断を行っていく。
(注記)株価が下がると自社株買いをせよ!というような声も大きくなりますが、私も自社株買いの効果は一時的なものであり、業績が伸び悩めば株価は下がってしまうので、安易な自社株買いには反対です。自社株買いは特定株主の持ち株を引き取るために行われることも多いので、個人投資家からすると不公平感も感じます。手元キャッシュの使い道がないのなら、不透明な自社株買いより配当としてきちんと還元してほしいものです。
2010年3月の自社株買いの不透明さについては、昨年の株主総会でも質問が出ています。下記の株主総会レポートの質問(8-4)をご参照ください。はっきりとした回答はもらえなかったという印象でした。
ザッパラス(3770)2010年株主総会レポート2
(14-7)事業説明会はぜひ行ってほしい。役員席と株主席の間に机を並べて壁を作るのはやめて欲しい。過去の株主総会で株主が飛びかかってきたことがあるのか?
→過去株主が暴れたという話は聞いていない(笑)来年は検討したい。
(注記)バリケードを無くすとともに、株主席との距離ももっと近付けて欲しいですね。心理的な壁を作るのは良くないと思います。事業説明会の開催もよろしくお願いします。
(15-8)会員数の伸びは5月、6月とどうなっているのか?
→会員数については四半期決算で発表しているので、5・6月の状況は9月に発表する。それまでは(インサイダー情報になるので)答えられない。
今までは携帯キャリアの決めた枠の中での競争だった。月額300円という枠の中では会員数が評価基準になった。しかし今後はスマートフォンやパソコン向けのコンテンツも増えていくので、無料のアプリをダウンロードしたり、無料のコンテンツだけを利用する会員、スポットで都度課金という会員もいる。今までのような会員数だけでは分からなくなってくるので、どのような指標だと分かりやすいか検討している。
(16-8)そんな説明では分からない。実際足元の会員数はどうなっているのか教えて欲しい。
→足元の状況は9月にしか発表できない。
(注記)頑なに会員数の説明を拒んでいましたが、果たして会員数が重要情報に該当するのか疑問ですね。特に無料会員も増えているというのであれば、重要性は低下していると思います。ここまで頑なに拒むところから推測すると、足元の状況は芳しくないんだろうな〜と感じてしまいます。一般的には足元の状況が良ければ、(ニコニコしながら)詳しくは答えられませんが9月には株主の皆様のご期待に応えられるような結果が報告できると思います、などと答えるものです。状況が悪い場合も、(少し厳しい顔で)株主の皆様の期待に応えられるよう全社一丸となって頑張っています!などと答えるものなんですけどね。
まったく答えないというのは余程悪いんですか?平井社長

(17-9)ザッパラスのコアターゲットや市場規模を教えて欲しい。その市場をどう拡大させていくのか?
→ザッパラスのコアターゲットは占いに興味のある20代から30代の女性であり、今後も変えていく考えはない。スマートフォンに変わってもしっかりフォローできるように取り組んでいく。コアではないターゲットも、スマートフォンでは取り込めるかもしれないと考え、スマホ初心者向けにプリマという新アプリを投入した。スマートフォンではコンテンツの低価格化も進んでいくし、無料アプリのダウンロードも多い。一方で料金設定の自由度も高くなるので、よりコアなターゲット層に満足してもらえるコンテンツを提供すれば、単価も上げられる。
(18-9)ザッパラスのブランディングをどうしていくのか?
→ザッパラスは顧客を個客と考えている。一人一人との間にしっかりと絆を作っていきたい。
(19-9)コアターゲットの中でのザッパラスの認知度はどの程度か?認知度をどう上げていくのか?
→認知度を数値としては取っていないが、認知度を上げる活動に取り組んでいる。年始には占い師100人のよる大予測などを行い、マスコミにも取り上げられた。
スマートフォン向けもパソコン向けも共通のブランドである『cocoloni(ココロニ)占いコレクション』として事業展開しており、認知度を上げていきたい。
PCサイト

以上で質問は出尽くし、質疑応答は終了となりました。
質問がなくなるまで対応したのはとても良いことだと思います。
ただいろんな意味でもう少し株主との距離を縮めるような取り組みをしてほしいと思いますし、事業説明会を開催してこれからのザッパラスについて株主に語りかけて欲しいと思います。
来年は改善された株主総会になることを期待しています。
株価は東日本大震災の影響を除いても長期下落傾向が続いているので、業績を向上させIRにも積極的に取り組んで、株価が上がることも期待しています。
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