アルクALCはヒアリングマラソンなど英語を中心とした外国語の語学学習教材の販売や、語学学習の通信教育などを行っている会社です。アルクの株主総会に参加するのは初めてです。
2011年4月22日(金)の株価 14,490円(JASDAQ 2496) 1株単位 1月決算
PER 62.2倍、PBR 1.43倍、配当利回り 0.48%、株主資本比率 22.1%
監査費用 2,500万円(売上比 0.33%、営業利益比 赤字) 太陽ASG監査法人
株主優待 1・7月末の株主にENGLISH JOURNALバックナンバー1冊、教材割引券贈呈
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上場以来の株価推移をみると、IPO銘柄特有の値動きで、上場当時は人気化して出来高も多いものの、その後は値下がりが続き、出来高もなくなって株価低迷が続いています。一方、業績は最近5年ほどは低空飛行が続いており、2年連続で赤字を計上しています。業績回復を期待したいですね。

スケジュール
10:00〜10:33 事業報告
10:05〜10:07 監査報告 影山哲也常勤監査役
10:08〜10:33 営業報告 平本照麿社長が読上げ
10:33〜10:35 決議事項の説明
第1号議案 取締役7名選任の件 7名全員再任
第2号議案 監査役3名選任の件 3名全員再任
第3号議案 補欠監査役1名選任の件 選任の効力が失効するため再任
10:36〜10:56 質疑応答 質問者3人 計6件 20分
10:57〜10:58 議案の採決 拍手方式 すべて可決
10:58〜11:00 役員紹介 名前の紹介のみで挨拶なし
11:16〜11:32 会社説明会 前期の決算概要と今期計画について今西常務から説明
11:32〜12:45 平本社長、各担当取締役から今後の戦略について説明
12:45〜12:53 質疑応答 質問者3人 計4件 8分

お土産 ENGLISH JOURNAL4月号(バックナンバー) 後渡し
飲み物サービス 500mlペットボトルのお茶、ミネラルウォーター
事業説明会 あり
懇親会 なし
注目の株主総会格付けですが、事業の現状と今後について平本社長などから詳しいプレゼンテーションがあったのは良いことだと思います。一方で3時間近くにわたる長丁場なのに軽食の用意がないのは残念ですし、お土産は在庫処分

議決権を有する株主数 4,488名、その議決権数 112,500個
議決権返送&出席株主数 543名、その議決権数 75,468個

アルクの株主総会は昨年に引き続き、新宿NSビル NSスカイカンファレンス30階で行われました。
新宿NSビルは新宿駅から遠いのが難点です。今日は4月開催の株主総会集中日なので、私も東京楽天地の株主総会から移動してきましたが、もう少し駅から近いとありがたいですね。
会場入口には緑茶とミネラルウォーターのペットボトルが用意され、自由に選べました。
会場内にはテーブル付の席が用意され、(2×6)×7のレイアウトで84人分ほどの席が用意されており、最後部には椅子が並べられていました。そこには社員と思われる方々が座っていました。開始時点で40名弱の出席者数でしたが、意外と女性が多く7名ほど出席していました。
最前列右端は補欠監査役候補の席になっていて、候補者名を書いた名札も設置してありました。
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平本社長から、株主総会後には40分ほど株主様向け会社説明会も開催するので、議案に関係ない質問はそちらでお願いしたいと案内がありました。会社説明会を行うのはとても良いことですが、この説明会が40分ではとても終わらず、予定の倍以上の90分近くになりました。予定時間をオーバーしているということで、その後の質疑応答がしづらい雰囲気になってしまい、8分ほどで終わってしまいました。

会場は17時まで借りている


私は初参加なので昨年までの様子は分かりませんが、毎年こんなに時間がかかっているのなら40分ほどなどと書かずに、実態に即して案内して欲しいですね。予定が狂います。
赤字が続いていて今後のアルクを心配している株主も多いと思うので、じっくり時間をかけてアルクの現状と今後について説明するのはとても良いことですが、長時間の説明会となるとお腹も空いてきます。1階下にはレストラン街があり、500円くらいからランチメニューもあるので、それほどコストもかからずに用意できると思います。ランチ付だと嬉しいですね


事業報告は平本照麿社長が、招集通知を読上げる形で行われました。会社説明会の中で前期決算の説明もあったので、事業報告はスライドなども使用しながらポイントを絞って説明してもいいのではないかと感じました。事業報告をただ読上げるのは社長も大変でしょうし、聞いている株主にとっても時間の無駄です。もっと効果的な事業報告を考えて欲しいですね。
平本社長は昭和10年生まれとご高齢であり、手元の原稿をぼそぼそと読んでいてあまり元気がないように感じました。そろそろ世代交代して会長などに就任した方が良いのではないでしょうか?質疑応答ではしっかりと回答していて安心しましたが。
事業報告に続いて議案の上程を行い、質疑応答となりました。質問は1回に1個ずつということでしたが、質問自体が少ないので質問個数を制限する必要はないと思います。1問ごとにマイクを持っていってしまうので、無駄な時間が多くなってしまいました。
質問には平本社長、担当取締役がバランスよく回答していました。もう少し活発な質疑応答になるといいんですが、株主総会集中日開催ということもあって出席者数が少ないからしょうがないのでしょうか。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)短期借入金は16億円ほどなのに、財務キャッシュフローで借入・返済額が110億円ほどもあるのはなぜか?毎月のように借りたり返したりしていて自転車操業のようだ。
→(今西英明常務取締役 管理本部長)コミットメントライン契約を結んでいたが、2期連続赤字だと契約を解消するという財務制限条項が付いていたので、期末の手前でコミットメントラインを解消した。それまではコミットメントライン契約枠内で、決済に必要な資金を借りたり返したりしていた。金利は比較的低い。特に借り入れに問題があったのではなく、決済日と入金日の差を借り入れで対応していただけです。
(2-1)売上高に比べて売掛金が過大で、それが財務内容の悪化につながっている。通信教育は事前入金が多いのに、なぜこんなに売掛金が多いのか?取引条件を改善すれば、財務内容ももっと良くなる。
→(今西常務)出版業界は専門の取次会社を使って書店に流通しているが、アルクが取次会社に納品してから6〜9ヵ月後に入金というサイクルになっている。このため常に売掛金が多くなる。語学出版物の最需要期である2〜4月は、売掛金が期末時点よりもう少し多くなる。
(平本社長)出版取次ルートの割合次第で売掛金の比率が変わってくる。ここ数年の傾向では売掛金の比率が上がっているわけではない。出版部門は好調で売上が伸びているが、通信教育部門が伸び悩んでいたのも、売掛金に影響している。
(3-2)(女性)取締役の方々は素晴らしい経歴だと思うが、語学の分野は女性が活躍していると思う。これから事業を拡大するためには、もっと女性を登用してもいいのではないか?
→アルクは女性を差別していることはなく、社員の65%くらいは女性であり女性で持っているような会社です。経営陣に女性がいないのは、現場で仕事をしたい人が多くて、マネジメントに対する関心が若干低いのかなと感じる。ただ子会社のアルク教育社にはすでに女性役員がいるし、これからは女性役員も登場してくるような会社にならないといけないと考えている。
(4-1)出版が伸びているという説明だったが、返品の増加などで一般書店部門が特に利益面で苦戦しているように見える。自社のオンラインショップやアマゾンを伸ばしていったり、電子書籍化をさらに進めると利益面でも改善してくるのではないか?
→担当取締役から説明させるが、専門分野であるESP(専門分野のための英語教材)シリーズが好調だったり、重版が増えているなど出版部門全体としては好調に推移している。
→(柴田一夫専務取締役 営業本部長)アルクの出版物の販売先は大きく分けて2つあり、大学生協も含めたリアルの書店ルートと教材ルートがあるが、高校教材・学校採用が大きく伸びている。一般書店の販売額は一昨年が1.8兆円が昨年は1.7兆円に、書店数は1.8万店が1.7万店に減少している。その中でも語学関係は前年比で3〜5%くらい伸びていると紀伊国屋さんやジュンク堂さんからは聞いている。オンラインショップについては、アマゾンが日本に進出して約10年になるが、2億円規模まで成長してきた。アルクオンラインショップ経由の売上も全体の1/3程度まで伸びてきた。なので書籍関係の売上が伸びていないのではないか?という指摘は少し誤解があると思う。もちろん電子書籍等に関しては開発を進めつつ、市場に打って出る検討をしている。
返品率に関しては業界平均が42%と言われている。アルクではここ4年ほど新刊本の発行を抑えつつ、既刊本の営業を強化している。そのため返品率は一昨年が38%、昨年が35%、今年は現時点で30%前後となり、ここ3年で5〜6ポイント改善している。
返品率が1ポイント改善すると、売上で2〜3千万円の効果があると言われている。
(5-1)売上ではなく、返品などの影響で利益が出ていないのではないか?と聞いている。
→(柴田専務取締役)取次店ルートだと掛率が65〜70%ですが、ご指摘の通りオンラインショップだとこの部分は不要となるので、会社側としてもアルクオンラインショップを強化していくことを考えている。
(平本社長)書籍の販売ルートは一般書店の他にも大学生協、市民生協、アマゾンなどのオンライン書店などがあり、オンライン販売の割合が10%近くまで伸びてきている。返品率を改善するには直販ルートを伸ばしていくことが効果的なので、アルクとしても直販の割合を高めていき、返品率を下げて利益率の改善を図っていく。一方電子書籍も今後は増えていくと思う。アルクが取り扱う語学教材は電子化のメリットが大きいので、今年からの課題として既刊本をすべて電子化していき、紙でも電子書籍でも自由に選べるようにしていく。アルクは電子書籍への取り組みが早かったので、業界の中でも有利な立場にある。大きなポータルサイトも持っているので、オンライン販売を伸ばしていくし今後に期待している。
(6-3)学校向けの販売はシステム全体の販売なのか?コンテンツのみの提供なのか?
→大学中心に提供しているアルクEラーニングについての質問だと思うが、サーバーごと販売する形式とASP方式の2通りがある。大学向けはセキュリティの問題などから、サーバーごと納入するケースが多い。サーバーごと納入する形式だったので多くの大学で採用頂いたともいえる。ただコスト面や大学外からのアクセスに制限があるなどデメリットもあり、昨年からは一般企業向けも含めてASP版の発売もしている。ASP版も好調で新しいお客様も増えている。
以上で質疑応答は終了となりました。
引き続いて議案の採決を行い、無事承認され株主総会は終了となりました。続いて役員の紹介がありましたが、平本社長から名前が紹介されただけで、役員からの挨拶はありませんでした。
その後15分ほど休憩時間を取り、同じ会場で株主様向け会社説明会が開催されました。
休憩時間には喫煙コーナーで平本社長が一服していました。2期連続の赤字だったのでもっと厳しい質問が出るかと覚悟していたのに、無事株主総会が終わったのでほっとしたのかもしれませんね

それにしても経営者が喫煙するというのはいかがなものかと感じます。タバコは体に良い影響は与えませんので、自らの健康を害していることになります。経営者というものは社員やその家族の生活に責任を持つ立場ですし、株主から経営を委任されている立場でもあります。経営者は多くの責任を背負っているので、健康に気を付けるのは最低限の務めだと思います。健康に悪い喫煙習慣を持っている経営者は、それだけで減点だと思いますね。健康にも配慮して、業績の改善にがんばって欲しいと思います。
株主総会の感想や会社説明会の様子については、アルク(2496)2011年株主総会レポート〜その2 をご覧ください。作成中です。
アルク(2496)2011年株主総会レポート〜その2
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