ノバレーゼは、ウェディングドレスの販売からスタートし、ゲストハウスウェディングやレストラン事業を展開している会社です。ノバレーゼの株主総会に出席するのは初めてです。
2011年3月24日(木)の株価 55,000円(東証1部 2128)1株単位 12月決算
PER 4.9倍、PBR 1.10倍、配当利回り 4.55%、株主資本比率 58.7%
監査費用 2,150万円(売上比 0.20%) 有限責任監査法人トーマツ
株主優待 千円分のクオカード、自社レストランでの30%割引券
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ノバレーゼ(2128)のヤフー株価情報

ここ2年近くはボックス圏での値動きが続いています。業績は順調に推移しているので、そのうち株価にも反映してくるのかもしれませんが、東北地方で発生した大震災で自粛ムードが続くようだと、結婚式事業にも影響が出てくるかもしれません。
スケジュール
10:00〜10:19 事業報告
10:03〜10:04 監査報告 武者優常勤監査役
10:05〜10:19 営業報告 浅田剛治社長が事業報告を読上げ
10:19〜10:23 決議事項の説明
第1号議案 剰余金処分の件 2,200円 普通配1,200円、会社設立10周年記念配当1,000円
第2号議案 取締役7名選任の件 任期満了に伴い7名再任、林氏は退任
第3号議案 監査役1名選任の件 伊藤幸広氏を増員し監査役4名体制に
10:23〜11:09 質疑応答 質問者6人 計11件 46分
11:09〜11:11 議案の採決 拍手方式 すべて可決
11:11〜11:11 新任監査役伊藤幸広氏が挨拶 よろしくお願いしますのみ

お土産 自社製のオレンジを使ったチョコレート菓子とシャリ30%割引券
飲み物サービス なし
事業説明会 なし
懇親会 なし
さて注目の株主総会格付けですが、会場後方には自社のウェディングドレスを展示したり、社長自ら株主を迎えていたりして、さすがサービス業の会社だなと好印象でした。質疑応答にも自らの言葉で答えていて、この点でも評価できます。一方で飲み物サービスがあればもっと嬉しいですし、せっかくの機会ですから経営近況報告会なども行うともっと良いのにと感じました。これらを総合的に判断し、ノバレーゼ(2128)の株主総会格付けは 『C−』 としました。
議決権を有する株主数 5,269名、その議決権数 102,866個
議決権返送&出席株主数 1,299名、その議決権数 72,489個

ノバレーゼの株主総会は昨年とは会場が変わり、東京大手町の日経ビルで行われました。
会場内は(3×5)×9という配置で椅子が並べられ、135人分の席が用意されていました。出席者は50人弱程度で、女性が活躍する会社ということもあってか、女性の出席者も目立ちました。
浅田社長は株主総会会場の入り口で株主を迎えていたようです。以前会社説明会に参加したことがあり、社長に似た人が立っているな〜とは思いましたが、自信がなかったので声はかけませんでした。
その時のレポートは


目立つ名札を付けるか、社長本人というたすきをかけていればすぐに分かるんですが


会場内にはスクリーンなどはなく、事業報告も浅田剛治社長が召集通知を読み上げる形式で行われました。写真や図表などをスクリーンに表示して、分かりやすく説明してほしいと感じました。
その後議案について説明があり、質疑応答となりました。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています(敬称略)
(1-1)具体的な競合先やどんな会社が異業種から参入しているのか?
→上場企業ではテイク&ギブニーズ、ベストブライダル、ワタベウエディング、IKK、エスクリ、クラウディアなどが競合会社になる。ブライダル業界は未上場企業が圧倒的に多くて、各地にひしめき合っている。互助会などの専用結婚式場は以前は競合先だったが、今はそれほどでもない。異業種からの参入では、ラヴィスが紳士服のアオキの子会社になったり、ユニマットオフィスコ参入している。リーマンショック後は新規参入が少し減っていて、徐々に競合が減ってきている。
テイク&ギブニーズとの競合状況はどうか?とよく聞かれるが、ブライダルは地域に根ざした商売であり、エリア内での競合であり、テイク&ギブニーズというより地元の有力会社との競合になる。
(2-1)関係会社株式、差入保証金の中身、退職慰労金の扱いは?
→(田中雅樹 取締役管理本部長)関係会社株式は、召集通知6ページに記載した3社への出資金です。差入保証金は店舗などがビルに入居した時の保証金や定期賃借契約時の保証金などです。役員退職慰労金の規定はなく、毎年決議いただいた額を計上している。
(3-2)ホールセールも含めて取引先などで地震の影響はないのか?
→青森に新店をオープンしているが、建物に一部亀裂が入った程度で修繕で対応可能。ホールセールもこれからなので影響はない。社員も被災した者は一人もいなくて、不幸中の幸いだった。
(4-2)地震に対して義援金・物資の提供などはしているのか?今後どのように貢献していくのか?
→会社として1千万円の義援金を日本赤十字に寄付する。500人の社員一人一人が何かしたいとの声が多く、社内でも寄付を集めている。
(田中)510万円ほど募金が集まっており、日赤を通じて寄付する。
(浅田社長)物資面では生産工場などを持っていないので、状況が落ち着いてきたら被災地の方々に低価格で挙式を提供することなどを検討していく。元気な若手の社員が多いので、現地でボランティア活動を行いたいという社員も多い。会社としても有給休暇を増やすなどしてバックアップしていく。
(5-3)ブライダルも低価格化が進んでいると思うが、今回の震災でさらに華美な内容は自粛するムードが広がって、業績にも影響が出てくるのではないか?
→ブライダルも低価格が進んでいると言われるが、実際にはそうではなく全体ではそれほど低価格化は進んでいない。今まで結婚式を挙げられなかった人でも式を挙げられるようなサービスが登場し、マスコミに大きく取り上げられているが、一方では少子化でお金をかける人も増えていて、正確には二極化が進んでいる。
結婚式はご祝儀で支えられており、自粛ムードでもご祝儀を半分にするわけではないので、地震では自粛ムードが広がるとは思わない。女性の人たちは、結婚式は一生の思い出に残るものにしたいと考えているので、自粛するようなものではない。影響としては、交通機関の乱れで遠方からの出席者への配慮や、計画停電の影響で挙式を延期するケースが少しある程度です。
(6-3)ボリュームゾーン向けの新ブランド フレアージュについて、今後の展開や収益性を説明して欲しい
→3月に青森に1号店をオープンした。マスコミではノバレーゼが低価格挙式に参入したと取り上げられているが正しくない。平均的なブライダル予算は300万円程度ですが、これはご祝儀である程度賄える金額です。ノバレーゼの平均は430万円程度なので、フレアージュはボリュームゾーンである300万円向けの提案です。会館を新設せずに今ある建物を活用してコストを抑えている。同業他社の会館やショッピングセンターなどなんでも活用する。設備投資を抑えることで(価格を下げても)収益性を高める。今までは4〜5年で回収する目標だったが、フレアージュは2〜3年で回収できるビジネスモデルです。今後結婚式場・ホテルの閉鎖が増えるので、エリア・物件を限定せずに増やしていく。当面は4店/年程度のペースだが、財務体質も強くなる3年後くらいからは6店くらいのペースにしたい。
(注記)マスコミは考え方がデフレにどっぷりと浸かっているのか、消費者の味方を自認しているのか、低価格競争や価格破壊




(7-3)施設は機動的にリニューアルしているようだが、環境面にも配慮したリニューアルが必要ではないか?
→節電等には取り組んでおり、備品も大切に扱うよう指導している。女性にとっては会場が新しい・綺麗であることが最重要となるので、定期的な清掃・補修は必要だが、できる限り廃材などが出ないよう、環境にも配慮していきたい。
(8-4)上海に出店したが、足元の状況と今後の中国展開について教えて欲しい
→2010年8月にオープンしたが、オープンまではかなり苦労した。なかなか計画通りに進まず、中国での事業展開の難しさを感じた。出店したのは高価格帯のレストランであり、富裕層に評価されている。中国も一人っ子政策でシックスポケットであり、ブライダル需要も今後期待できると考えている。試行錯誤しながらノウハウを積み上げていきたい。現地で中国事業を担当している取締役から現状報告する。
(鶴田真巳 取締役店舗開発室長)昨年5月から上海に赴任して業務を行っている。ノバレーゼが中国に出たことで、色々な話をいただいている。中国の結婚式は、今までは皆で集まって食事をする程度であり、日本式のブライダルに対する関心は非常に高い。オープンしたレストラン「シャリ」は、日本企業のパーティ需要なども頂いており、ブライダルと両面で取り組んでいく。
(浅田社長)現時点では、中国事業が何年後にどの程度の業績になるかは不透明で分からない。上にも下にも大きくブレる可能性があるのが中国事業だと思っている。
(9-5)取締役で発言しているのは2人だけなので、他の取締役の声も聞きたい(笑)
→それでは一人ずつ挨拶してもらいます(詳細は省略)
(竹本英高 営業本部長)日本の営業全体を見ている
(植野真理子 営業本部副本部長)広島を担当している。一番現場に近い役員だと思うので、現場と経営をつなぐ役割をしていく。
(礒道直人 フレアージュ事業本部長)新業態を確立して、来年から2〜3店を出店していく。
(林眞治 営業本部副本部長)大阪地区を統括している。
(10-6)今の時期は人材を採用しやすい時期だと思うが、採用状況はどうか?勤続年数が短いのでは?
→この3年くらい毎年50人ほど採用している。それまでは10〜20人くらいだったので、新卒採用急増で勤続年数が短くなっている。
ここ数年女性の中でブライダル業界の人気が高まっており、キャビンアテンダント、アナウンサーに次ぐ人気になっている。ノバレーゼでは会社説明会を10回開催し、7〜8千人が参加している。その中から50人位を採用するので、以前では考えられなかったような優秀な人を採用できるようになってきた。会社説明会ではノバレーゼに好印象を感じてもらえるようにしている。数年後には結婚する人達なので、その時にノバレーゼを思い出してもらえるように取り組んでいる。最近では就職活動時にノバレーゼを知ったことがきっかけで結婚式で使ってくれたり、他社に就職したもののやはりノバレーゼで働きたい!と転職してくる人も出てきた。東証一部に上場したことで、親御さんからの支持も得られるようになった。今までは知名度が低く、サービス業ということで反対されることもあった。
以上で質問が出尽くし、質疑応答は終了となりました。浅田社長を始めすべての取締役が発言し、バランスのいい質疑応答でした。浅田社長はしっかりと自らの言葉で語っていたのも好印象です。
気になるのは浅田社長を始め、リクルート出身の方が何人もいることです。リクルート出身者は輝かしい未来のビジョンを語るのに長けていますが、それを実現できるのか

質疑応答の中でブライダルには地震の影響はほとんどないと答えていましたが、ニュースなどでは自粛ムードがブライダルにも表れてきているという記事も出てきています。現状はそれほど影響はないのかもしれませんが、派手な演出を控えたり近親者だけで済ませたりなどの動きが出てくることも考えられます。本当に地震は業績に影響しないのか?は、3ヵ月くらいは様子を見ないと判断できません。この点については今後の業績推移を見守っていきたいと思っています。
とはいえボリュームゾーンのフレアージュには期待できそうなので、今後の成長が楽しみですね

株主総会後に今後の戦略などをプレゼンテーションする報告会などを開催するともっと理解が深まっていいのになと感じました。来年以降さらに良い株主総会になっていくといいですね。
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最後も一番深々とお辞儀していたのは浅田社長でした
