TRNコーポレーションは、飲食店を借り上げて出店希望者に貸し出すなどの総合的な店舗賃貸サービスを行っている会社です。
TRNコーポレーションの株主総会に出席するのは、2006年、2009年に続いて3回目です。
長期間に渡り株主として応援してきましたが、まさかこんな形でしっぺ返しを食らうとは想像もしていませんでした。
以前の株主総会の様子は下記レポートをごらんください。


まずは暫定版をまとめました。
TRNコーポレーション(3351)のホームページ
TRNコーポレーション(3351)のヤフー株価情報
スケジュール
10:00〜10:02 松崎社長から挨拶、議決権の説明など
10:02〜10:12 議案の説明 松崎裕治社長が議案を読上げ
10:12〜11:49 質疑応答 質問者3人 計30件 97分

11:49〜11:50 決議事項の採決 拍手方式 すべて可決
議案 当社と株式会社ハークスレイとの株式交換契約承認の件
11:50〜11:52 決議に反対の株主をチェック
お土産 なし
飲み物サービス 会場隣で暖かいお茶、水のサービス
経営戦略説明会 なし
懇親会 なし
議決権を有する株主数 2,338名、その議決権数 115,293個
議決権返送&出席株主数 244名、その議決権数 87,830個
臨時株主総会は、いつも株主総会を開催している、エクセルホテル東急6階 プラネッツルームで行われました。
出席者は20人程度です。会場内にはスーツ姿の株主が多く、社員株主や取引先などを動員していたようです。特に最前列と後方に配置していたようで、議案採決時には最前列と後方から拍手がありました。
まず最初に所用により青木取締役が欠席することが報告されました。
私は青木取締役に質問したいと考えていたので、とても残念です。今回子会社化するのは親会社のハークスレイであり、TRNコーポレーションの7割近い株式を保有しています。そのハークスレイの経営トップである青木氏が決めれば、TRNコーポレーションの経営陣は反対することが出来ません。反対する取締役は首にすることが可能だからです。なので今回の議案について、TRNコーポレーションの取締役を追及しても可愛そうです。一番追求されるべきは青木氏なんですが、その張本人が急用ができて欠席するとは、上場企業の経営者としての器を疑いますね。
面倒なことは子会社の役員に任せて、一番利益を得る青木氏自身は知らんぷりというのはあまりにも無責任な姿勢だと思います。
そんな経営者が率いているハークスレイという会社の体質もうかがい知れるというものです。
私は長期に渡って株主として応援してきましたし、TRNコーポレーション自身も株主総会や名証IRエキスポなどのIRの場を通じて、長期に応援して欲しいと訴えてきていました。そんな多くの株主に対して、今回の提案はあまりにもひどい内容だと思います。
本当に長期投資が報われない会社ですね!
幻冬舎(7843)のTOB価格が純資産を下回っていることで、株主の間で問題になっていますが、TRNコーポレーションのTOB価格16,900円は、前期末の1株当たり純資産87,237円のわずか19%であり、お話にもなりません。
それでもこの会社に投資したのは自分自身の判断であり、しょうがないなと感じていましたが、青木氏が欠席したり、株主総会での質疑応答を聞いていて、あまりにも木で鼻をくくったような回答ばかりで、徐々に怒りが込み上げてくる感じでした。
たくさんの質問が出ましたが、3人の株主が交互に質問しているだけで、その他は会社側の株主が多いのかじっと聞いているだけでした。
そして極めつけは、決議も終わった最後に、議案に反対する株主は手を挙げさせて、1人1人出席票の番号と名前をチェックしたことです。
ハークスレイが7割も議決権を押さえているんですから、どんな決議も問題なく可決できるのに、さらに反対株主に手を挙げさせるとは、見せしめにでもされたような気分でとても不愉快な想いをしました。反対株主には青木会長からお小言でもあるんでしょうか?俺の決定に反対するとはけしからん!とかね(笑)
出席して本当に不愉快に感じました。
主な質問は
(1)16,900円の算定根拠について詳しく説明して欲しい
→第三者の財務戦略ナカチ(TRNコーポレーション側)と、三菱UFJモルガンスタンレー証券(ハークスレイ側)が客観的に算定した価格をベースに、ハークスレイ側と話し合い決定した。
以上の説明を繰り返すのみで、ディスカウントキャッシュフロー法の算定根拠については、答えられないと拒否していました。株主が指摘していた通り、DCF法は割引率などの数値次第でいかようにも算定することが出来ます。その肝心の数値は公表できないというのはおかしな話です。算定根拠はまったく示さず、ただ賛成しろというのはひどい話です。
(2)DCF法以外にも、純資産法や類似企業比較法など、他にも価格算定方法はあるが検討したのか?
→上場企業は市場で株価という評価をいただいているので、これを無視することはできない。取締役会ではいろいろ検討したが、市場の株価をベースにTRNコーポレーションの株主の方々の利益を考えてプレミアムをつけてTOB価格を決めた。
(3)なぜ100%子会社化しないといけないのか?7割の議決権があれば何でもできるのではないか?
→迅速な意思決定を行うためには100%子会社化が最適だと判断した。非上場となることで抜本的な改革に取り組むことが出来る。それが引いてはTRNコーポレーションのステークホルダーの方々の利益につながると判断した。
(4)100%子会社後、TRNコーポレーションの役員の方々はどうなるのか?
→今後も会社に残って、TRNコーポレーションを発展させ業績を向上させていくことが、我々の責任の取り方だと考えている。
(5)誰に対する責任を取るというのか?青木氏への責任を果たすということか?業績回復しても、今までTRNコーポレーションを応援してきた株主はまったくメリットを受けられないではないか。
→色々な責任があるが、取引先や社員などのステークホルダーへの責任を果たしていく。
青木達也氏以外のTRNコーポレーションの株主はどうでもいいという感じです。
まあ松崎社長を責めてもしょうがないんですけどね。青木氏が白!と言えば黒でも何でも白になるんですからね。これが株式会社の仕組みとはいえ、1億円以上の価値があるものを市場価格が1,900万円だからと強制的に収奪する仕組みには納得がいきませんね。
さらには上場している市場が流動性のない名証セントレックスです。とても適正な株価になっているとは思えません。TRNコーポレーションだって全株をマーケットで買い占めようとしたら、何日間もストップ高になると思います。それを勝手に買取価格を設定して強制的に買い取ってしまうんだから詐欺みたいなものですね。
今後株式市場で一儲けしたい経営者の方々は、東証から名証セントレックスに市場替えをして、流動性がなくなり株価が大幅に下落した後でMBOというのがお薦めです。そんなことが可能な名古屋証券取引所自体にも問題があると思います。
本来こういった不公正な子会社化には、取引所も注意する必要があるのではないでしょうか?
まだたくさん書きたいことはありますが、とりあえずこのあたりにしておきます。
質疑応答の様子は、TRNコーポレーション臨時株主総会レポート〜その2 以降にまとめていきます。
TRNコーポレーション(3351)臨時株主総会レポート〜その2
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