エスケーアイ(9446)は東海地方や関東圏で携帯電話販売店を展開している会社で、ソフトバンクの割合が高くなっています。コールセンターでアリコやアフラックなどの保険商品を販売したり、エスケーアイマネージメントがティアとフランチャイズ契約を結び葬祭事業も展開しています。
エスケーアイの株主総会に出席するのは初めてです。

2010年12月8日(水)の株価 210円(JASDAQ 9446) 100株単位 9月決算
PER 6.4倍、PBR 0.99倍、配当利回り 4.76% 株主資本比率 35.0%
監査費用 1,335万円(売上比 0.09%) 栄監査法人
株主優待 500株以上の株主に対し、株数に応じて3千円分の割引優待券を進呈
詳しくは

エスケーアイ(9446)のホームページ
エスケーアイ(9446)のヤフー株価情報

上場来の株価推移を見てみると、300円前後で推移しています。携帯電話販売店の事業は成熟したビジネスであり、あまり成長性が高くないと評価されているようです。対策として、コールセンターを設けて保険商品の販売を行ったり、葬儀会館ティアと提携して、前期より葬祭ビジネスにも参入しています。これらの新規ビジネスが収益の柱に育ってくれば、評価も変わってくるのかもしれません。
株主総会スケジュール
10:00〜10:27 事業報告
10:03〜10:06 監査報告 堀井潤子常勤監査役
10:07〜10:15 営業報告 酒井俊光専務から報告 事業報告を読上げ
10:15〜10:18 対処すべき課題 酒井昌也社長から報告 事業報告を読上げ+α
10:18〜10:26 財務諸表報告 田川正彦常務から報告
10:27〜10:37 質疑応答 質問者1人 計3件 10分
10:37〜10:43 議案採決 1件ずつ説明・審議・決議 拍手方式
10:37〜10:39 第1号議案 剰余金処分の件 前期と据え置きの10円配 質問1件
10:39〜10:40 第2号議案 取締役4名選任の件 4名全員再任
10:40〜10:43 第3号議案 役員賞与支給の件 対象の4名に4,074万円を支給 質問1件
10:58〜11:32 会社説明会
11:32〜11:35 質疑応答 質問1件で打ち切り

お土産 受付時に折りたたみ傘
飲み物サービス 株主総会後の休憩時間にコーヒー、お茶のサービス
経営戦略説明会 あり
懇親会 なし
さて注目の株主総会格付けですが、質問は1人しかなかったものの丁寧に対応していたと思います。会社説明会を行っているのもとてもいいことですが、もう少し質疑応答が充実するといいのになと感じました。開催時期が早くて出席しやすいですし、お土産や飲み物サービスも用意されていることなどを総合的に判断し、エスケーアイ(9446)の株主総会格付けは 『C』 としました。
1株単位から個別株が買えるプチ株



議決権を有する株主数 1,645名、その議決権数 108,563個
議決権返送&出席株主数 414名、その議決権数 69,858個
株主総会は例年鶴舞駅近くの本社ビルで行われています。便利で分りやすい場所だと思います。車で来た株主のために駐車場も用意されていたようです。
床面積がそれほど大きなビルではないので、1階に受付がありエレベーターで5階の会場に向かいます。受付で細長い筒状のお土産を渡されました。なんだろう?と思いましたが、以前会社説明会でも頂いたことがある折りたたみ傘でした。ということは、毎年恒例のお土産なのかもしれませんね


会場内には、最前列に株主席と役員席を仕切るように机が並べられており、それ以外は椅子のみで全部で84人分ほどの席が用意されていました。最後部にはビデオカメラが置いてあり、社員用の席が設けられていました。記録のために録画するそうです。
出席者は50人くらいで、取引先の金融機関なのかスーツ姿の株主も目立ちました。株式分割して買いやすくなっているのでもう少し多いのかなと思いましたが、後方には空席も目立ちました。
招集通知などでは特に案内されていませんでしたが、株主総会後に会社説明会が開催されました。エスケーアイの現状や今後の展開が分かるので、とてもいいことですね

営業報告は、各担当取締役が行いました。これもとてもいいことですが、招集通知の読上げだったのは残念です。後ほど会社説明会を開催するからということなんでしょうが、それならもっと簡潔に説明しても良いのかもしれません。
営業報告に引き続き、報告事項に対する質疑応答となりました。初めての参加なので様子が分らず、どの位出るんだろう?と思っているうちに1人だけで終ってしまいました


質疑応答は、手を挙げて議長の指名を受けると、会場係の人がマイクを持ってきてくれるので、その場で出席票の番号と名前を言って質問するスタイルです。
回答は酒井社長を中心に、担当取締役からも回答がありました。こちらもバランスよくていいですね。
質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています(敬称略)
(1-1)今期は携帯事業が減益を見込んでいるが、携帯の普及は頭打ちになり全体では伸びが見込みにくいと思う。そのような中で今後どのように携帯関連事業を伸ばしていくのか?
→エスケーアイはソフトバンクの取り扱いが多いが、アイフォーンが非常に好調に売れている。ただ販売店から見ると、iPhoneはアップルの取り分が多いので、当社の利益率は低くなる。今後もiPhoneを中心としたスマートフォンが伸びるので利益面では堅めに見積もっており、減益計画になっている。国内メーカーもスマートフォンを出してきているので、徐々に手数料も下げ止まりつつある。スマートフォンでは音声通話よりネットなどを使うことが多く、ARPUも高くなる。一方でスマートフォンは機能も多いので、使い方の説明などが高度になり、販売も難しくなる。エスケーアイでは以前から社員教育にも力を入れてきたので、社員の能力の高さがスマートフォンの販売では差別化になると考えている。
(2-1)葬祭事業は今期が2年目になるが、売上計画が約3億円と前期の10倍以上になる。こんなに急激に伸びるのか?今後も積極的に出店するようだが、足元の状況と今後の戦略を教えて欲しい。
→ティアと提携して葬祭事業に参入したが、ティアの評判がとてもいいので順調に推移している。7月にティア西尾をオープンしたが、オープン前の会員獲得件数ではフランチャイズNo1となった。前期はもっと赤字が増えると考えていたが、予想の倍の売上となり赤字幅も縮小した。先月オープンしたティア桑名も早速葬儀を受注するなど好調に推移しており、今期の目標は十分達成できる。
今までの葬儀屋は時価の寿司屋みたいなもので、会計時になってやっと価格が分かるという感じだったが、ティアは最初から価格を明示して透明化しており、お客様に支持されている。
(3-1)資産除去債務を1年前倒しで計上しているが、金額が少ないように感じる。26ページでは使用期間が3年〜40年とかなり幅があるが、期間を長く取れば特損は小さくなる。40年は妥当なのか?
→(田川正彦常務)エスケーアイは賃貸の店舗が多いので、資産除去債務の影響も大きいことから早めに対応した方が良いと判断し、前倒しで適用した。携帯ショップは使用期間が10年ほどと短く、経過期間もあるので3年〜10年と短くなる。一方葬儀会館や駐車場は、借地権の関係で使用期間が40年と長くなり、両極端に分かれた形になっている。
iPhoneが好調に売れているので利益面は厳しいですが、シャープなど国内メーカーのスマートフォンもいい商品が出てくるので、徐々に利益率も改善してくると考えているようです。今期の計画は堅めに見積もっているので、国内メーカーのスマートフォンが売れれば上方修正の可能性もありそうですね。
続いて議案の審議に入りました。質問が2件ありましたが、あっさりとした回答ですぐに終ってしまいました。議案の審議は拍手で行う形式でしたが、前方で「賛成


第1号議案 剰余金処分の件
(4-2)配当性向の目標はあるのか?
→30%を目標としています。
第3号議案 役員賞与支給の件
(5-2)役員賞与は単純計算すると1人1千万円になるが、4千万円の根拠は?
→根拠についてはお答えできません。
質問した株主の方は、「お答えできない」という回答にかなり不満を感じていたようです。株主総会後に、あんな回答はないよね〜と話していました。確かにもう少し根拠を説明してもいいと思います。計画を上回った利益の何%を基準に、業績への貢献度などを勘案して決めた、などある程度の根拠を示した方がいいと思います。何も説明がないと金額の判断のしようがありません。
以上で株主総会は終了となりました。その後会場準備に15分ほどかかるので、11時から会社説明会を行うとの案内があり、その間にホットコーヒーとお茶のサービスがありました。取引先の人は決算説明会にも出ていると思うので、株主総会だけで帰ってしまい、会社説明会に参加したのは15人ほどでした。
会社説明会では、パワーポイントを使って酒井社長から34分ほど説明がありました。
株主総会だと言葉を選んで慎重になってしまうので、会社説明会の方が話しやすいそうです。事業の現状などいろいろと説明を聞くことができました。その後質疑応答となりましたが、こちらは1件質問したところで打ち切りとなりました。もう少し質問時間があるといいですね。
(6-1)iPhone中心にソフトバンクが好調なので、ドコモなどからシェアを奪っているが、他社もスマートフォンを続々と投入してきており、今後はシェアを奪われる恐れもあるのではないか?
→それは孫社長を信じるしかない。iPhoneの投入も3年以上前から話を進めており、アップルとも強い繋がりがある。アジアのネット系企業などとの連携も進めており、アジアではネット分野では第一人者になっている。当然他社がスマートフォンで攻勢をかけてくることも分っており、対策は考えていると思う。
エレベーター前では役員の方々が株主を見送っていたので、酒井社長と少しお話しさせていただきました。
エスケーアイは知多が地盤なので、愛知県南部では以前から携帯ショップもたくさん展開しており、知名度も高いそうです。そういった顧客基盤があることもティア西尾が順調に立ち上がっている要因なんですね。もう少し時間はかかるでしょうが、コールセンター事業や葬祭事業が順調に伸びていけば、業績面でも期待できそうですね。今後のエスケーアイの事業展開を楽しみにしています。
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