日本和装は4ヵ月間 無料きもの着付教室を全国で展開し、きものを自分で着ることができる人を増やし、きもの生産者と消費者を仲介することで、日本の伝統文化を守るお手伝いをしながらビジネスを行っている会社です。きもの業界というのは高価な商品を押し付け販売するという良くないイメージがありますが、そうした風潮を払拭しようとがんばっている会社だと思っています。
他の会社より紹介に力が入っていますね(笑)日本和装株主としてバイアスがかかっているかもしれませんのでご注意ください

日本和装の株主総会に出席するのは3回目です。
2008年の株主総会 2009年の株主総会 2011年の株主総会

案内ボードにも気を配っていて

2010年3月26日(金)の株価 26,720円(JASDAQ 2499)1株単位 12月決算
PER 8.59倍、PBR 0.86倍、配当利回り 5.61%、株主資本比率 58.5%
株主優待 12月末の1株以上の株主に買い物5%割引優待券、きもののシミ抜きサービスなど
詳しくは日本和装ホームページの株主優待をご覧ください
日本和装ホールディングス(2499)のホームページ
日本和装ホールディングス(2499)のヤフー株価情報

ここ2年間の株価推移を見ると、リーマンショック前後を除いてだいたい27,000円前後で推移しています。日々の出来高は少ないですが、安定した値動きという感じでしょうか?
一方2006年9月(公募価格は10万円)の上場以来の株価推移を見るとかなり下がっています


スケジュール
11:00〜11:26 事業報告 吉田社長が読み上げ 計算書類は菅野取締役より
スライドを使って総務の大森さんから過去4事業年度の概略説明
使用したスライドはこちらにアップされています

11:26〜11:32 議案説明
第1号議案 剰余金処分の件 1株につき1,000円(年間1,500円)
第2号議案 定款一部変更の件 事業目的の追加(織物の製造・販売)
第3号議案 当社と日本和装マーケティング株式会社との合併契約承認の件
第4号議案 取締役5名選任の件 5名全員が任期満了となり全員再任
第5号議案 監査役2名選任の件 西川氏と二反田氏が任期満了となり再任
11:32〜12:00 質疑応答 質問者6人 計9件 28分
12:00〜12:03 議案採決 採決は拍手方式 すべて可決
12:03〜12:06 役員紹介 西川監査役以外は「よろしくお願いします」だけでした

お土産 博多織コースター 後渡し 日本和装らしいお土産です

飲み物サービス タリーズコーヒー、エビアン、お菓子のサービス
経営戦略説明会 なし 事業報告の中で過去4期の取り組みを説明
懇親会 なし

会場の後方に用意してあり

さて注目の株主総会格付けですが、集中日開催ですが11時開始と時間をずらしており、東京駅のすぐそばで参加しやすくなっています。スライドを用いた説明を取り入れたり、初めてお土産も用意したりと年々改善されています。飲み物やお菓子も用意されていて、株主への心配りも感じられます。集中日を外して開催したり、株主総会後に会社説明会や懇親会などを行うと、もっと楽しい株主総会になると思いますね。これらを総合的に判断し、日本和装ホールディングス(2499)の株主総会格付けは 『C−』 としました。
議決権を有する株主数 名、その議決権数 個 遅刻したため不明
議決権返送&出席株主数 名、その議決権数 個
今日2010年3月26日(金)は3社の株主総会に出席します。私の中では集中開催日です(笑)まず10時から共同PR、11時から日本和装、13時からアサヒビールです。昨年も共同PRと日本和装を掛け持ちしましたが、3分前到着とぎりぎり間に合いました。今年はさらに厳しいと思い、前日の25日に日本和装の株主総会会場を下見し、東京駅からの時間なども計っておきました。

前日の株主総会会場 受付の様子です

そこまで万全の準備を整えて望みましたが、共同PRの株主総会が長引き、17分ほど遅刻しての到着となってしまいました。到着したときにはすでに吉田社長が対処すべき課題について説明しているところでした。遅刻してしまいすみません。
今年はスクリーンも用意して、総務の大森さんから過去4事業年度の概略説明もあったそうです。聞き逃してしまい残念です。前の会社の株主総会でたくさん質問をし過ぎました

会場は2年前の株主総会と同じ場所で、テーブルもあり56人分の席が用意されていました。出席者は23人ほどで、女性が6名、着物姿の男性が1名いました。日本和装らしい感じですね。
今年はお土産も用意されたり、スライドを使った事業報告があるなど年々改善されてきています。もう少し参加しやすい日程にして、参加者がもっと増えるといいですね

議案説明後、質疑応答となりました。

質疑応答 質問の数字は前が質問番号、後ろが質問者番号を表しています
(1-1)色々と努力しているのは分かるがなぜ日本和装マーケティングは赤字なのか?それがはっきりしないと合併するだけでは意味がないのではないか?
→(藤永常務)日本和装マーケティングは、無料着付け教室の修了生を対象に着物の小売事業に参入したが、顧客基盤があっても小売事業は厳しかった。本業である販売仲介事業に特化したほうがいいと考え、早めに撤退の判断をした。
(吉田社長)赤字の理由は、販売方法や販売企画力の不足が最大の原因だと思う。目指すべきものは何だったかというと、業界不信がある中で安心して購入できる、安心して足を運べる店を目指してやってきた。このまま続けてはどうかということも考えたが、厳しい環境下なので体制を立て直しやり直したほうがいいと判断した。
(2-1)よく分からない。まだ業界不信が強い。むかし羽毛布団は50万円近くしたが今は5千円くらいまで下がっている。母が着物を縫っていたので多くの着物が残っているが、着る人がいない。着物の良さを学校へアピールしたり、お正月には着物を着るような習慣を広めるなど今後どのように着物文化を広めていくのか?合併すればそれが実現できるのか?今後どのように着物文化を広めていくのか聞きたくて参加した。その辺りが見えてきたらもっと買いたいと思っている。
→貴重なご意見ありがとうございます。参考にさせて頂きます。私の目指すところは、まず着物人口を増やすということです。あくまで私案だが、アパレルメーカーとの提携を実現したいと考えている。着物需要を呼び起こすことを目指している。『きものスーパー』の戦略を見直すのも合併の目的です。日本和装マーケティングの取り組みはちょっと早過ぎたように感じている。免許もない人に車を売るような業界ではいけない、まずは無料着付け教室で免許取得者(着物を自分で着られる人)を増やしていくという基本に戻る。同時に日本人にずっとある着物ブームにもう一度火を付けていくというのが私たちの目指すところです。
(3-2)株主を大事にするということなら、株主にも水を用意したらどうか?役員陣だけだ。
→貴重なご意見ありがとうございます。今後改善していきます。

確かに役員陣にはエビアンが用意されています

共同PRの株主総会から急いで駆けつけて、汗だくの私も水が欲しいな〜と思いました(笑)
しかし株主総会後に会場を見渡してみると、後方に水やコーヒー、お菓子などが用意されていました。気付かなかっただけですね(笑)私の場合は遅刻していったのでそれどころじゃなかったですが。総会後にお菓子を食べながら参加者の方と少しお話しました。会社の方も飲み物の用意をしていることをアナウンスすればよかったですねとおっしゃっていました。来年は早めに会場に着いてゆっくりとお茶を楽しみたいですが、株主総会の日程次第ですね。3月も株主総会はたくさんありスケジュール調整が大変です!
(4-3)日本和装ポイントバンクは10%分のポイントを還元し、キャッシュバックもできるので実質値引きと同じだが、仲介手数料もそれほど高くないのに、原資はどこが負担するのか?
→プレミアムクラブの原資は仲介手数料の中からの負担を考えている。今までの取り扱いにプラスされる部分だと考えている。売り上げ増になる部分なので、その仲介手数料の中から原資を捻出したい。
(5-3)監査役の方にお聞きしたいが、監査法人は大手のトーマツを使っていて、監査費用も2,600万円と会社の規模と比べて高い。西川監査役をはじめ日本和装の監査役の方々は素晴らしいと思うし、会社の規模からしても中堅クラスの監査法人で十分ではないか?大手よりきめ細やかな対応をしてくれるし、監査コストも半分から2/3以下になると思う。監査法人の変更についてはどのように考えているか?
→(西川監査役)監査法人の変更を決めるのは株主の皆さんです。監査法人は4大監査法人に統合され巨大化し、その弊害もあって中小の監査法人も出てきている。ただ監査法人では、監査チーム以外の人が監査チームを監査したり、もっと上の次元でチェックをするなど、やはり大手の方が審査体制がしっかりしていて、株主の皆様にも安心してもらえると思う。吉田社長の昔からのつながりでトーマツにしていて、私と二反田がトーマツ出身なので贔屓にしているわけではない。今後ますます監査は重要になっていくので、大手の監査法人に依頼しているのだと思う。
(吉田社長)その通りです。今後色々な市場を目指していく点でもこのままがいいと思っている。
西川監査役と二反田監査役がトーマツ出身だったとは見落としていました

4大監査法人でないと東証に上がれないとも思いませんし、個人的な感想ですがトーマツは殿様商売をしているように感じます。4大監査法人だけに市場を独占させるのはフェアじゃないと思いますし、中堅の監査法人が育たない、中堅の監査法人が育つのを阻害して市場独占を続けるのは、日本の会社にとっても良くないことだと思います。大企業は監査する範囲も広いですし、コスト負担にも余裕があるので大手監査法人に頼めばいいと思いますが、中堅企業は中堅クラスの監査法人に依頼した方がいいと思います。その方が監査法人業界も健全に成長することになると思います。押しも押されぬ大企業になったら、大手監査法人に変更すればいいのです。中堅クラスの監査法人は不安だという風評を流すのは、大手監査法人の戦略なのではないか?という気もしてきます。まじめに取り組んでいる中堅監査法人も多いと思うのに、日の目を見ないのは残念です。監査役の方々には監査法人をチェックする、(コスト、監査品質を含めて)より日本和装に合った監査法人を発掘するという役目もあると思います。大手だから安心と思考停止せず、中堅でもしっかりした監査法人を見つけて欲しいな〜と期待します。
信頼のおけない会社ならこんな質問はしませんが、取締役の方々も監査役の方々もしっかりしていると思うので、会社の規模に合わない監査法人に高額の監査費用を支払っているのには納得できませんね

もちろん信頼のおけないような会社には基本的に投資しませんが(笑)
(6-3)召集通知の説明はすべて単体決算ベースだが、より会社の実状を表すため次回からは連結ベースの説明にして欲しい。
→ありがとうございました。
(7-4)過去4期の説明で広告宣伝に力を入れてきたことはよく分かったが、その影響で利益が減った時期もある。着物文化を守るため積極的に広告を行ってもらいたいが、効果はどのくらい出ているのか?
広告費を多く使うと配当にも影響があるかもしれないが、私は日本の伝統文化を守るために頑張って欲しいと思っている。
→(菅野取締役)ご指摘の通り広告宣伝費のウェイトは高く、上場後は積極的に費用を投じたので一時的に利益は減少したが、着付教室No1という認知度も獲得できた。日本和装の知名度も確実に向上し、足元の着付教室への応募者数も堅調に推移している。
(吉田社長)今回の春の教室募集では、観月ありささんの起用により、有職者の応募が圧倒的に伸び、若い方の応募比率も高くなった。伝統文化を絶やさぬように頑張って欲しいというありがたいお言葉もいただいた。一生懸命頑張っていくので、今後ともよろしくお願いします。
(8-5)(女性)卒業生ですが『KOSODE』はとても参考になります。わがままプロシューマーズの講座を2回ほど受講してとてもいい内容だと思ったが、どんな仕組みになっているのか教えて欲しい
→プロシューマー部というのは日本和装の中に作った1部門ですが、大阪と東京にあり、そこで働いているのは全員修了生の方々です。お客様の目線でどんな企画が楽しいか?どんな企画を受講したいかという視点で、いろいろな企画を立ててもらっている。
(9-6)(女性)着物を着る必要があり再度勉強するため無料着付教室に通っている。着物は一式持っていたので本当に無料で受講できるなと思ったが、あまりにもいい先生にめぐり合い、丁寧に説明してもらえたので一式購入した。合計すると有料の着付教室の受講料くらいになるんだな〜と感心しました(笑)不満に思っているわけではありません。
着物を着るのが好きな友人がいるが、1人で着ると目立つので一緒に着て欲しいと言われる。受講生じゃなくても参加できるような催しも企画して欲しい。着物を着たいという人は確実に増えていると思う。
→ありがとうございます。ぜひ教室も最後までがんばってくださればと思っています。
以上で質疑応答は終了となりました。伝統文化を守るため日本和装にがんばって欲しいという意見が多かったですね。また、受講生や修了生の方で株主になっている方も増えてきているようです。それだけ日本和装のファンが増えているということですから、ありがたいことですね

質疑応答も丁寧に答えていましたし、取締役の方々もバランスよく回答していたと思います。もっと出席者が増えて質疑応答も活発になるといいですね。
株主総会となると質問しにくいという部分もあると思うので、せっかく飲み物やお菓子を用意しているので、株主総会終了後に役員や社員の方々と株主が、お茶など飲みながら歓談できればもっといろいろな声が聞けるように感じます。同じ会場内で歓談するなら追加費用もほとんど発生しないと思うので、やってみたらいいと思います。
日経会社情報には散々なコメントを書かれていますが

来年の株主総会も楽しみにしています。
できれば水曜日や木曜日など集中日を少し外してもらえると、参加しやすいんですけどね


株主総会後の取締役紹介時の様子です

吉田社長から担当分野と名前が紹介され、それぞれ「よろしくお願いします」と挨拶していました。せっかくですからもう一言お願いしたいですね

その点でも西川監査役はしっかりと挨拶していました。西川さんが監査役としている限り、日本和装は大丈夫だなと感じます。それだけにトーマツの監査はオーバースペックで無駄だな〜と感じてしまいます

西川監査役の挨拶
監査役の任期は4年で今回は取締役の選任と重なったが、これからも厳しく取締役の執行状況を監査し、株主の皆様のご期待を裏切ることの無いよう取り組んでいきますので、今後ともよろしくお願いします。
それに応えて吉田社長の挨拶
監査役の方々に負けないよう業務に取り組んでいきますので、今後ともよろしくお願いします。本日は株主総会に出席いただき、本当にありがとうございました。
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